2026年、今年もこの季節がやってきた。4月10日から12日まで幕張メッセで開催された「オートモビル カウンシル 2026」。昨年は10周年の節目ということもあり、ジョルジェット・ジュジャーロ氏が来日し、大いに盛り上がった。その余韻は今なお私の心に残っている。実に素晴らしい体験だった。
今年の主催者テーマ展示から見ていこう。今年の主催者テーマ展示のひとつは「Designed by ピニンファリーナ」。ピニンファリーナとはイタリアを代表するカロッツェリアのことだが、実はこの企画、2024年に開催予定だったもの。しかしベルトーネで活躍したマルチェロ・ガンディーニ氏の急逝を受け、急きょ「Designed by ベルトーネ」へ変更されたのだ。そうした背景もあり、今回ようやく実現した、“念願のテーマ展示”なのである。
フェラーリ250GT SWB
ピニンファリーナといえば、やはりフェラーリを外すことはできない。標準ボディの250GT Tdfに対し、ホイールベースを20mm短縮していることから、「SWB(Short Wheelbase Berlinetta)」の名で呼ばれている。
搭載されるのは排気量2,953ccのV型12気筒SOHCエンジン。250という数字は1気筒あたりの排気量を示している。最高出力は280PS。ル・マン24時間レースで2勝、さらにツール・ド・フランス・オートモビルで3連勝を飾るなど、当時まさに無敵を誇ったモデルだ。
250GT Tdfと比較すると、より引き締まった精悍なスタイルが魅力的である。生産台数は約160台と言われている。
フェラーリ330GTC
なんとも言えないエレガントな雰囲気をまとったFRクーペ。静粛性にも優れ、「車内でラジオを楽しめる初めてのフェラーリ」とも言われている。
搭載されるエンジンは、ジョアッキーノ・コロンボ設計による4リッター Tipo209/66型 60度V型12気筒SOHC。ミッドシップ・レーシングカー「330P」と基本を同じくするユニットである。
いま見ても、その優美なスタイルはまったく色褪せていない。
フェラーリ288GTO
筆者憧れの一台、それがフェラーリ288GTOである。正式車名はシンプルに「フェラーリGTO」。
現在のフェラーリは、シリーズ末期になると特別限定車、いわゆる“スペチアーレ”を投入することが恒例となっているが、その流れの原点とも言える存在が、この288GTOではないだろうか。
一見すると308GTBをベースにしているように見える。しかし実際には、ホイールベースを110mm延長し、ボディもワイド化。さらにエンジン搭載方式も横置きから縦置きへ変更されている。
“288”の名称は、2.8リッターV8エンジンに由来。最高出力は406PS。当時としては驚異的な性能であり、日本へ正規輸入された車両は、何とわずか1台と言われている。
ランチア・ベータ・モンテカルロ
このクルマ、当初はフィアットX1/9の上級モデルとして開発されていた。しかし開発最終段階で、より高級かつスポーティなイメージを持つランチアブランドへ移行。結果として、ベータシリーズのスポーツモデルとしてデビューした。
黒いプロテクトモールを効果的に配置したデザインは、当時として非常にモダン。いま見ても新鮮さを感じさせる。エンジンは2リッター直列4気筒で、最高出力120PSを発生した。
フィアット・アバルト750 レコルド・エンデューロ・ピニンファリーナ
これは実に貴重な一台である。1957年、アバルトが速度記録に挑戦し、見事に新記録を樹立したマシンだ。平均速度165.37km/hで、72時間・12,000kmを走破している。
ボディデザインを手掛けたのは、創業者セルジオ・ピニンファリーナ。さらにボディ形状は、トリノ工科大学で風洞実験を重ねて生み出されたという。
まさに性能と美しさを高次元で両立させた1台であり、後のピニンファリーナ・デザインの礎となった傑作と言えるだろう。
後編では、実際に展示販売された魅力的なクルマを紹介する。
オートモビル カウンシル 2026
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