「魚に見えない…」ふわふわすぎる謎の新種魚、“奇妙な姿”が話題に

  • 文:大村朱里
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Shutterstock※写真はイメージです。

全身もじゃもじゃ、ふわふわしたシルエットに、どこか見覚えのある顔──。

南西太平洋のサンゴ礁で新たに発見された小さな魚が、その見た目から思わぬ名前を付けられ話題となっている。

その名前の由来になったのは、アメリカの人気子ども番組『セサミストリート』に登場するキャラクター、「ミスター・スナッフルパガス(通称スナッフィー)」だった。

見た瞬間「スナッフィーだ」 学名にも採用

5月中旬、オーストラリアの研究チームが学名として正式に記載したのは、新種のゴーストパイプフィッシュ(カミソリウオ科)の仲間「ソレノストムス・スナッフルパガス」。

体長はわずか18〜34ミリほど。しかしその姿はかなり特徴的だ。口先や顎、頭部、ひれの先端から細かな糸状の突起が伸び、全身がふさふさともじゃもじゃした独特の見た目をしている。

研究者たちはその姿を見て、すぐに『セサミストリート』の人気キャラクター・スナッフィーを連想したという。スナッフィーは長い鼻と全身を覆う毛並みが特徴で、黄色い鳥・ビッグバードの親友として知られる存在。研究チームは番組の制作・運営団体へ命名許可を申請し、正式に学名として採用された。

実は昔からいた…でも誰も気づかなかった理由

ただ、この魚が突然現れたわけではない。生息域はオーストラリア北東部のグレートバリアリーフ周辺から、パプアニューギニア、ニューカレドニア、フィジー、トンガまで広く分布していた。

それなのに、なぜ今まで新種として認識されなかったのか。理由は、その驚異的な擬態能力だったという。この魚は紅藻類に溶け込むような姿をしており、長年、近縁種「Solenostomus paegnius」と同じ種類だと考えられていたそうだ。

しかし今回、研究チームがマイクロCTによる高精細な3D解析やDNA分析を行った結果、骨格や脊椎骨の数、性差の特徴などに明確な違いが判明。遺伝的距離も約22%に達していた。さらに解析では、近縁種と枝分かれしたのは約1830万年前にさかのぼる可能性も示された。

かわいい見た目とは裏腹…意外な“ハンター気質”

研究者たちは、もうひとつ予想外の発見をしている。これまでゴーストパイプフィッシュは、小型の甲殻類やプランクトンを食べると考えられていた。ところが、メスの標本を調べたところ、胃の中から小魚の骨や尾びれを発見。体長約33ミリの魚が、自分の体の約3分の1サイズの魚を丸飲みしていたことが分かった。

研究チームは、紅藻に完璧に擬態して身を潜め、近づいた獲物を一気に捕らえる“待ち伏せ型ハンター”として行動している可能性があるとみている。

今回の発見によって、正式に認識されるゴーストパイプフィッシュは6種から7種へ増加した。さらに、新種の発見を支えたのは研究者だけではなかった。

市民ダイバーたちがSNSや観察共有サイトに投稿していた写真の積み重ねが、新種の存在を裏付ける重要な手がかりになったという。

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