山を走るトレイルランナーたちから注目を集め続けるシューズブランド、アルトラ(ALTRA)。ランナーに支持される大きな理由が、他ブランドとは設計思想がまったく異なることだ。
シューズ内部を前傾斜にして足運びを自然に促すのが一般的なランニングシューズ。しかしアルトラは彼らが「ゼロドロップ」と呼ぶ、爪先からヒールまで靴底の高さが均一な構造である。
これにより足の動きが素足に近くなり、姿勢も体幹も真っ直ぐに補正されていく。アルトラが疲れず長く歩けると言われるのは、この構造に秘密がある。人体のポテンシャルを引き出す薄底ベアフットシューズがアルトラに根ざすカルチャーだ。
その一方で、大半の他ブランドが前傾斜を採用していることにも確かな理由がある。多くの人にとって筋肉に負担が掛からず、スピーディに走りやすいからである。ゼロドロップのアルトラは身体を鍛えたアスリート、もしくは石と土でゴロいた山道を走るランナーには最良の選択肢のひとつになるのだろう。
ただし都市部の平らな舗装道路を歩き続けるシーン、もしくは筋力がない高齢者などには不向きなケースもありそうだ。普段のシューズからアルトラに切り替えたとき、身体を慣らすプロセスが必要なハードルの高さもある。
そんなアルトラが2026年4月24日(金)に発売する新作「ボイジャー(VOYAGER)」は、アルトラ初心者の最適解になりそうな汎用性が高いモデル。ヒール部分が4mm高いわずかな前傾斜をこのモデルに採用。他ブランドからもスムーズに移行できるように考えられている。
「街と山とをつなぐ」とされるシューズなだけに、グリップ力が高いアウトソールは山道、濡れた路面、舗装道路のどれでもOK。ミッドソールはクッション力に優れ、脱ぎ履きはクイックシューレースで素早く行える。デイリーな生活履きに過不足ない仕様である。
このシューズ「ボイジャー」で足を慣らして気に入ったなら、アルトラを代表するゼロドロップの本格スポーツ用「ローンピーク」や「オリンパス」に進むのもよさそうだ。一度身体に馴染んだら、他に浮気できないオンリーワンの愛用ブランドとしてワードローブに定着するかもしれない。

ファッションレポーター/フォトグラファー
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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