猫が壁の隙間で“謎の毛玉”に…救出された正体に「泣いた」「奇跡すぎる」の声

  • 文:Rikako Takahashi
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Shutterstock ※画像はイメージです

英ポーツマスで、住宅の壁の隙間に挟まって身動きが取れなくなっている猫が発見された。近隣住民と動物福祉団体の協力のもと、猫は5時間かけて無事救助された。

びっちり挟まり……「まったく動かない」

RSPCA(英国動物虐待防止協会)は3月15日、住民のキャサリン・エドワーズ氏の通報を受けて現場に駆けつけた。発表によると、猫は1階の屋根から転落し、レンガ造りの壁の隙間に挟まってしまった可能性が高いという。その幅、わずか10センチ。

公開された写真では、鈍色の”毛玉”のようなものが壁と壁の間をびっちり埋めている。わずかに見える白い足で、やっと生き物だと識別できるほどだ。

猫は、ちょうど人の手が届かない奥行き約1.5メートル地点に挟まっていた。救助にあたったRSPCAのサラ・ワットン氏は、「伸縮式のポールにグラッパーをテープで固定し(※マジックハンドのような状態)、ようやく猫をつかめましたが、まったく動きませんでした」と語る。「完全に挟まっていたのです」

その後、RSPCAの別スタッフやレスキュー隊員も合流し、猫の体を下から浮かせようとしたり、ロープで括ろうとしたりとチームで試行錯誤を繰り返したが、猫は動かなかったという。

住宅の中から穴を開けることも検討したが、猫への多大なストレスが懸念されるため、実行は見送った。

鎮静剤を投与、時間との戦い

救助開始から5時間が経過した。長時間身動きが取れないと、猫の身も危ない。猫がパニックになって暴れるリスクを軽減しながら、確実に引っ張り出すために、地元の獣医師監修のもと、猫に鎮静剤を投与することになった。

しかし、鎮静剤を投与したら呼吸困難に陥るリスクがあるため、1分以内に救助を成功させなければならない。

「みんなで知恵を絞って即席の『注射棒』を作って隙間に差し込み、安全に注射を打ちました」と、RSPCAのモーガン・エリソン氏。投与後、3人で力を合わせてすぐに猫を引きずり出したという。

猫は奇跡的に無傷だった。エリソン氏は「本当に時間との戦いだった」と振り返る。

地域猫だと思われていたが……

猫は動物病院に搬送された。毛玉を取り除く必要はあったものの、その他の健康状態に問題はなかったという。

エドワーズさんや近隣住民が、家の周りで頻繁に見かけていた猫だったため、地域猫だと思われていた。ところが、体にマイクロチップが埋め込まれており、読み取ったところ……2022年に迷子届が出ていた「アルフィー」だと判明。アルフィーは10歳、わずか数ブロック先に飼い主のマンディ・デイヴィス氏が住んでいた。

4年前の7月、デイヴィス氏がポーツマスに引っ越してきた翌週、アルフィーが家の外に出てしまい、そのまま行方不明だったという。

「アルフィーを保護したとRSPCAから電話を受けたときは、正直信じられませんでした。家からたった2本先の通りで発見されたなんて」「正直、もう二度と会えるとは思っていませんでした」と、デイヴィス氏は感動を口にした。

4月5日、デイヴィス氏は元気そうなアルフィーの写真をFacebookに投稿。関係各所に感謝を述べ、マイクロチップの重要性を添えた。

「ペットが行方不明になっているみなさん、どうか希望を捨てないでください 」

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