釣り糸に絡んだホホジロザメ救出…下着姿で海へ飛び込んだ青年に称賛殺到「映画みたい」

  • 文:吉井いつき 
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Shutterstock ※画像はイメージです

米カリフォルニア州のビーチで、釣り糸にかかってしまったホホジロザメを、釣り人の青年が救うという出来事があった。サメ救出の瞬間を捉えた動画はSNSで瞬く間に拡散され、青年の勇気ある行動に称賛が集まっている。

釣りをしていたら…

今年4月1日、ロサンゼルスの人気観光地ハーモサ・ビーチで、釣り歴5年のケビン・ファンさん(20)はいつものように釣りをしていた。すると、竿に強烈な引きを感じた。リールを巻き上げると、そこにはホホジロザメの幼体の姿があった。ホホジロザメは映画「ジョーズ」のモデルになったと言われ、成長すると5メートル以上になり、その迫力から「白い死神」と称されることもある。

「ホホジロザメを狙っていたわけではありません。州法で禁止されていることは熟知しています」とケビンさんはインタビューで語る。ホホジロザメは絶滅危惧種であり、カリフォルニア州法で保護対象となっている。

近くの桟橋からは、サメのピンチに気付いた多くの人々が固唾を吞んで状況を見守っていた。そんな中、ケビンさんは迷わず服を脱ぎ捨て、下着姿で波打ち際へと向かった。「サメの姿を見た瞬間、頭が勝手に動き始めました。一刻も早く自由にしてあげなければと思ったのです」

ケビンさんは冷静にサメを引き寄せ、ハサミで素早く釣り糸を切り離した。だが、波打ち際のサメはぐったりとして波の影響でなかなか沖へ戻れなかった。周囲の人々からその生死を気にかける声が上がる中、ケビンさんはサメの尾をつかみ、海の方へと引きずっていった。するとサメは無事に泳ぎだし、沖へと戻っていった。事態を見守っていた群衆からは大きな拍手と歓声が沸き起こった。

この一部始終を撮影した動画がSNSにアップされると、ケビンさんの勇気ある行動は大きな賞賛を浴びることとなった。動画撮影者の一人、アレクサンドラ・ギャリーさんは「大勢の前で下着姿になってサメを助けるなんて、誰にでもできることではありません。彼は躊躇しなかった」と絶賛している。

専門家が鳴らす警鐘

ファンさんの行動は、サメが釣れるという不慮の事故に対する迅速な対応として評価された。しかし当局は、サメが釣れてしまった場合は速やかに糸を切り、自身の安全を最優先するよう呼びかけている。

ホホジロザメの幼体が人間を襲うことはめったにないというが、釣り針にかかってパニック状態に陥れば非常に攻撃的になる可能性がある。過去には南カリフォルニア沿岸で、釣りと遊泳が近接した結果、サメが人を噛むという痛ましい事故も起きている。勇気ある行動だが注意が必要だ。果たして、サメの恩返しはあるのだろうか…。

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