アメリカ・ウィスコンシン州の小規模なペッティングズー(ふれあい動物園)で飼育されていたカンガルーが、フェンスを乗り越えて施設外へ脱走する事件があった。囲いの高さは約8フィート(約2.4m)。来園者と近い距離で触れ合える環境を前提とした施設だが、この高さを越えた脱走は想定外だったとみられる。周囲には草地や林が広がっており、姿を見失った時点で発見は容易ではない状況となった。
脱走したカンガルーはどこへ?
逃げ出したカンガルーの名前は「チェスニー」。人懐っこい性格で園の人気者だったが、脱走してしまった。施設側はすぐに地元当局と連携し、周辺住民にも協力を呼びかけ、注意喚起を行った。
目撃情報は断続的に寄せられたものの、動きの速いカンガルーを地上から追うのは難しい。草むらや林に入れば視認はほぼ不可能となり、探索は広範囲に及んだ。発見までの時間が長引く可能性も指摘されていた。
決め手となった“体温追跡”
状況を打開したのは、熱感知カメラを搭載したドローンである。人の目では見えない対象も、体温の差を利用すればサーモグラフィーに浮かび上がる。上空から広範囲を確認しつつ、周囲より高い温度を示す地点を特定することで、草地に潜んでいたチェスニーの位置が割り出された。
視覚だけに頼らないこの手法が、最終的にチェスニー発見の決め手となった。見えないものを「熱」で捉えるというアプローチが、今回の捜索を前進させたのである。
無事帰還し、穏やかな日常へ
チェスニーの位置が特定されたのは、逃走からおよそ3日後。捜索チームは慎重にチェスニーの元へ向かった。
発見地点は施設から遠く離れておらず、周囲の草地や林の中に身を潜めていた。サーモドローンで浮かび上がった体温を手がかりに、捜索隊は静かに接近。チェスニーは人に慣れていたため、声をかけたり落ち着かせる対応が効果を発揮し、安全に確保することができた。
捕獲には麻酔や強制手段は用いられず、チェスニーが安心できる環境の中で行われた。捕獲時、チェスニーは落ち着いており、怪我もなく健康状態も良好だった。動物園へ戻った後はもとの穏やかな日常に復帰しているという。
今回の事例は、「体温」という目に見えない手がかりを活用した探索の有効性を示した。さらに、動物との信頼関係を生かした安全な確保の方法が機能した例としても注目される。小規模なふれあい動物園での予期せぬ脱走であったが、人的被害もなく無事に解決された点は、関係者にとっても大きな安堵につながった。
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A kangaroo named Chesney is back home after scaling a tall fence and spending three days on the run from a Wisconsin petting zoo. https://t.co/gTl9n3wXGM
— KKCO 11 News (@KKCO11News) April 1, 2026