選ぶクルマには、その人のライフスタイルや美意識が自然と表れる。
第一線で活躍するクリエイターと愛車の関係を紐解く本企画。今回は、フォトグラファーで、カメラマン事務所「BOIL」、スタジオ「UDEL」の代表を務める丸益功紀。タフな撮影現場から家族と過ごす週末まで、日常と非日常をともにする相棒として彼が選んだのは、メルセデス・ベンツのフラッグシップSUV「GLS 400d」だ。
独立時の相棒から、飛躍のメルセデス
丸益の愛車遍歴は、独立直前に義父から譲り受けた軽自動車、ダイハツ・ムーヴから始まった。大量の機材を積んで現場を駆け回り、「フォトグラファーとして波に乗れたのはムーヴのおかげ」と語る。
「だんだん、規模の大きな現場を仕切るようになり、ステップアップを決意しました」という丸益は、メルセデスのGLC 220d(2017年モデル)を購入。都内にもなじむ白を選んだ。愛車遍歴としては実にダイナミックだが、この“少しの背伸び”が見事にハマった。「クルマが新しい仕事を連れてきてくれた」と、仕事の質と量が向上したという。
人生の転機をともにする、覚悟の選択
アシスタント時代は「成功したらGLEに乗りたい」と憧れを抱いていたという。しかし、家族が増えたこと、大量の機材を積める実用性から、3列シートと大容量ラゲッジを備えるGLS 400dを公私の相棒に選んだ。
この乗り換えの背景には、人生の大きな転機があった。2024年2月に会社の先代が逝去し、同年6月に自身が代表に就任。その前年には自宅も購入しており、「自分を鼓舞するしかないと思った」と語る。丸益にとってこのクルマは、単なる移動手段ではない。会社の未来と家族を背負う“覚悟の証”でもあるのだ。
重圧を解き放つ「移動するリビング」
「GLS 400dのお気に入りは、後方へ滑らかにと伸びる美しいフォルムです。長いホイールベースが生むバスのような安定感と分厚いボディは、『家族が守られている』という確かな安心感をもたらしてくれます。重厚感があり、リラックスできる空間はさすがメルセデス。まるで移動するリビングのようです」
フラッグシップらしいラグジュアリーなインテリアはもちろん、子どもたちを喜ばせるサンルーフ。助手席を運転席のパネルから操作できる実用的な機能も、家族やクライアントを乗せる際に重宝している。
平日は機材を、休日は家族を乗せ、代表という重責とともに走る毎日。だが仕事を終えて、重厚なシートとブルメスター製オーディオの重低音に包まれる時間は、丸益にとって安らぎのひと時だ。譲り受けた軽自動車から始まり、時を経て最高峰のSUVへ。丸益の愛車遍歴は、クリエイターの軌跡そのものを雄弁に物語っている。
丸益功紀 フォトグラファー/BOIL、UDEL代表
1987年、兵庫県生まれ。スタジオ23を経て、2015年からカメラマン大嶽恵一氏に師事。2019年に独立。ファッション系メディアのほか、ブランドのルック、広告など中心に、ジャンルを問わず手掛ける。特に時計や化粧品など光り物の物撮りに定評がある。24年6月BOIL、UDEL代表に就任。

