【武満徹のポップを再解釈】『海へ』を硬派に読み解く、鈴木大介のオマージュ

  • 文:小室敬幸(音楽ライター)
Share:

【Penが選んだ、今月の音楽】

『海へ-武満徹作品集』

03_meco-1087.jpg

鈴木大介 アールアンフィニ MECO-1087 ¥3,850

日本を代表する作曲家の武満徹が、晩年に才能を見出したのがギタリストの鈴木大介である。これまでも継続的に武満を取り上げてきた鈴木だが、武満没後30年のタイミングで彼のポップソングを録音。武満らしいギターのサウンドやハーモニーが活かされた鈴木の編曲は、それ自体が見事な武満へのオマージュといえる。後半に収められたフルートとの二重奏「海へ」はやたらと甘い演奏が多い作品だが、鈴木はそれをほどよく硬派な路線で読み解き直し、甘美なだけではない心地よい緊張感を醸し出す。