727ps/900Nmの怪物SUV。アストンマーティン「DBX S」を試乗、スポーツカー並みの走りを実感

  • 文:小川フミオ
  • 写真:Aston Martin Japan
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アストンマーティンがデビューさせたスポーティなSUV「DBX S」。2026年3月の日本でのローンチの直後にテストドライブできた。はたして「これはりっぱなスポーツカーだ」と感心させられる出来映えだ。

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グリルをはじめアストンマーティンの”らしさ”を失っていないスタイル。

アストンマーティンの魅力はいろいろ挙げられる。私が特に惹かれるのは、言ってみれば、雰囲気のよさ。

「他人と違っていればよい」とか「個性(のみ)」を追求しているのではない。1950年代から続く、エレガントでかつスポーティというアストンマーティンの魅力をしっかり受け継いでいる。

DBXは2020年にデビューしたスポーティSUV。22年に追加発表されたパワフル仕様が「DBX707」だ。性能よし、スタイルよし、雰囲気よしのモデルである。

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2024年に発表された「DBX707 AMR24」。

その上をいく「DBX S」には、大いに興味をひかれていた。

なにしろ、4リッターV8エンジンの最高出力は、DBX707から20ps上がって727ps(535kW)。しかも軽量化。炭素樹脂のルーフがオプションで用意されているのだ。同時に車体の空力特性も見直されている。 

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25年10月に発売されたトップモデルの「DBX S」。

一見シルエットは従来のDBXと変わらないものの、車体各部に手が入れられ、空気抵抗の低減による燃費向上とともに、より強力なダウンフォースで力強い加速が可能になっているのだ。

スペイン・バスク地方のナバラサーキットで、太陽の下で、実車をじっくり観察することが出来た。

アストンマーティン車のデザインアイデンティティを継承した輪郭をもつグリルだが、専用の巨大な開口部を持ち、かつグロス(ツヤあり)ブラックのメッシュパターンがパワーを強く感じさせる。

加えて、スプリッターとディフューザーが、よりスポーティな印象を与えている。 

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リアはスポイラーなど形状が変更され空力特性が見直されている。

フロントだけではない。側面には新しい形状のサイドシル、リアに回り込むと、新意匠のバンパーと、4本で「ハ」の字を作る排気管のテールカッターがすごみを効かせているのだ。

走りの印象は、期待を裏切らなかった。走り出しから加速していく間、一切パワーの落ち込みはなし。

なにしろ最大トルクは900Nmもある。新採用の9段変速機が早めにシフトアップしていっても、パワーの落ち込みを感じる場面はなかった。

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操作性がよく、いっぽうエレガントでもあるインテリア。写真:筆者

もちろん、マニュアルモードを選んで、ステアリングホイールのコラムから生えているシフターを右手と左手で操作して、シフトアップを抑え、高めのエンジン回転を維持して走る感覚は、もう最高。

ハイパースポーツカーを標榜する「ヴァルハラ」ゆずりの大径ターボチャージャーが真価を発揮しはじめるのは3000rpmから上。アクセルペダルに載せた足の微妙な力加減に即反応して、車両の加減速を感じられるのは痛快だ。

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インテリアの仕上げは、車体色と同様、選択肢が豊富に用意されている。

アストンマーティンが手掛けるDBX Sとは、SUVのかたちをしたスポーツカーだと、サーキットでいくつかのカーブをこなしてすぐにそう感じられた。

サーキットでのテストドライブだったので、取り回しのよさとか荒れた路面での乗り心地とか、総合的なことはわからなかったが、硬いなあと思うことはなかったので、一般道でもかなりよさそう。 

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エナメルで美しく仕上げられた専用「S」バッジが備わる。写真:筆者

アストン マーティン DBX S

全長×全幅×全高:5039×217×1680mm
ホイールベース:3060mm
エンジン:3982ccV型8気筒ターボ 全輪駆動
最高出力:535kW@6250rpm
最大トルク:900Nm@3000〜5250rpm
最高速度:310km/h
0-100km/h加速:3.3秒
本体価格:¥35,900,000
www.astonmartin.com/ja 

小川フミオ

モータージャーナリスト

自動車を中心に活躍するジャーナリスト/ライター。自動車誌やグルメ誌の編集長を務めた後、フリーランスとして活動。新車の試乗記をはじめ、グルメ、ホテル、人物インタビューなど、多岐にわたるジャンルの記事を独自の視点で執筆し、雑誌やウェブメディアを中心に寄稿している。

小川フミオ

モータージャーナリスト

自動車を中心に活躍するジャーナリスト/ライター。自動車誌やグルメ誌の編集長を務めた後、フリーランスとして活動。新車の試乗記をはじめ、グルメ、ホテル、人物インタビューなど、多岐にわたるジャンルの記事を独自の視点で執筆し、雑誌やウェブメディアを中心に寄稿している。