誘拐犬7匹が脱走、高速道路を一列で歩く異様な光景。17kmを助け合い帰宅「まるで映画」と称賛の声

  • 文:吉井いつき
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Shutterstock ※画像はイメージです

中国吉林省の高速道路で目撃された犬の集団が、世界中で大きな話題となっている。誘拐された7頭の犬たちが互いに助け合いながら故郷へと歩いて行く様子を捉えた動画は総再生数2億回をゆうに超え、英ガーディアンや米ピープルなど多くのメディアで取り上げられた。

高速道路を歩く7頭の犬

今年3月16日の夜、吉林省長春市の高速道路を走行中だったルーさんは異様な光景を目にした。道路脇をゴールデンレトリバー、ラブラドール、コーギー、ペキニーズ、ジャーマンシェパードといった、種類もサイズもバラバラな7頭の犬たちが、一列になって歩いていたのだ。

「野良犬とは明らかに違いました」とルーさんは語る。先頭を走るコーギーが何度も後ろを振り返って仲間が遅れていないかを確認し、ゴールデンレトリバーは車道側に寄って他の仲間を車から守るように歩いていた。群れの中心にいたのはケガを負ったジャーマンシェパードで、他の犬たちが囲むようにして守っていた。

ルーさんはもっと安全な場所に犬たちを誘導しようとしたという。しかし、犬たちはその呼びかけを無視し、高速道路を進んでいったという。

ルーさんがこの不思議な光景をSNSに投稿すると、動画はたちまちバズり、すぐに大きな反響を巻き起こした。目撃者らからの情報を元に、地元の動物保護団体がこの群れを追跡、ドローンで監視するなどして安全な帰宅をサポートした。

3月19日、7頭すべてが無事にそれぞれの飼い主のもとへ帰還したことが確認された。犬たちの家は、動画が撮影された場所からなんと17kmも離れていた。この7頭は同じ村の3つの家庭で飼われており、普段から仲の良い友達だったという。

7頭の犬たちは犬肉を扱う業者によって村から誘拐され、輸送中に隙を見て脱出したのではないかと推測されている。中国では2020年に深セン市が犬猫の食用を禁止しているが、全国的な禁止法は依然として存在しない。冬場に犬肉を食べる習慣が残る地域もあり、飼い犬が盗まれる事件が後を絶たないという。

飼い主の一人は「食べられずに戻ってきてくれた。本当に運が良かった」と彼らの帰還を喜んだ。

世界中から寄せられた犬たちへの賞賛

このニュースに対し、ネット上では犬たちを称賛する声が相次いでいる。「彼らの旅はそのまま映画にできる」「人間同士よりもずっと強い絆がある」と、世界中の人々が犬たちの連帯や賢さを褒め称えた。

中でも特に注目されたのは、群れの先頭を行くコーギーだ。後ろに続く仲間たちの様子を常に気遣いつつ先導役を務めるその姿は、責任感とリーダーシップに溢れていた。報道によると、このコーギーの名前は「大胖」、日本語にすると食いしん坊、おデブちゃんというような意味だという。愛らしい名前と行動のギャップは、これまた多くの人々を和ませている。

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【動画】高速道路を歩く7匹の犬

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