クワロ
都市のなかで、感覚をひとつずつ呼び覚ましていくような場所がある。建築設計事務所Suppose Design Officeの吉田愛が空間設計を手掛けた「Quaro」は、コーヒーを軸に音楽やアートを重ねた、4層構造の複合スペースだ。
地下1階にはロースタリーを備え、焙煎のプロセスや豆の個性に触れる体験型のプログラムも用意。1階のカフェでは、ジャパン バリスタ チャンピオンシップで3度の優勝を誇る石谷貴之と共同開発したブレンドを、特注のLa Marzocco Strada Xで抽出する。自然の要素を織り込んだ空間のなかで味わう一杯は、単なるコーヒーの域を超え、身体のリズムを整えていくようだ。
2階へ上がると、空気はゆるやかに変化する。高精度な音響システムを備えたミュージックバーでは、ELLA RECORDSによる選曲が空間を満たし、コーヒーの余韻に音が重なっていく。さらに3階では、ポップアップや展示など、表現が更新され続ける余白が広がる予定だ。
コーヒーを起点に、音、空間、そして人の感覚が交差していく「Quaro」。都市の喧騒から一歩離れ、自分の内側へとチューニングしていくための、新しい文化のハブがここにある。