【究極のチープシックTシャツ】ヘインズの最上級Tにグレーが仲間入り。白、黒、グレーの「T-SHIRTS」全3色を徹底検証!

  • 文:一史
Share:

 

250114-20705_02.jpg
ヘインズが考える現代における最上級のTシャツシリーズ「THE BEST OF T-SHIRTS」。2026年2月にグレーが加わり白、黒、グレーの3色が揃った。

ヘインズは下着と洒落着の狭間を行く歴史的な定番ブランド。デニムならリーバイス、Tシャツならヘインズが王道のアメリカンスタイル。日用品として気軽に買えるチープシック・ファッションの雄でもある。
そんなヘインズだが時代の流れを受けて高品位なプロダクトの開発にも乗り出している。その最上級が2023年からスタートした「THE BEST OF T-SHIRTS(以下、T-SHIRTS)」シリーズ。
価格帯は1着で約3〜4千円。3着で約3千円のパックTシャツと比べたら高いが、人気ドメブラの無地Tシャツが軒並み1万円前後する昨今ではかなり値頃に思える。このシリーズの出来栄えを探るべく、このたび新作グレーを含む白、黒、グレーの全3色を製品版で用意した。トレンド目線も踏まえて着用感、生地、縫製などをお伝えしていこう。

グレーは汗染みをガード

251118-3286 のコピー.jpg
商品名のMOKUとは杢(もく)と呼ばれる濃淡の糸模様のこと。ペーパーパックは1着入り。「Hanes T-SHIRTS MOKU」¥3,520(XXLのみ¥3,850)。

T-SHIRTSシリーズには“着る”という生活者目線が込められている。26年2月に加わったグレーの「Hanes T-SHIRTS MOKU(以下、MOKU)」は、グレーTシャツ愛好家の悩みである汗染み問題に取り組んだ服。撥水力がある加工糸で水分を拡散させ染みを減らしている。
実際に新品Tシャツの裏面にシャワーの水を流しテストしたところ、水は吸うがすぐには表に染み出さなかった。コットン100%とは思えないほどの撥水性である。ただし一般的な「汗じみ防止服」ほどの性能ではないようだ。着心地と通気性がいいコットンの特性を活かしつつの付加価値である。日常生活で軽い汗を気にせず過ごせるだけでも十分に実用的だ。

lp-shirokuromoku-26ss-other-moku-2.jpg
T-SHIRTSのサイズ展開はS〜XLの4サイズ。それに加え価格アップのXXLも用意されている。

グレーモデルで着目すべきは杢生地の美しさ。細かく整った模様で、スポーツTシャツのように滑らかでやや光沢がある。色合いも赤み傾向で深く、コットンらしからぬ現代的な素材感が魅力だ。
シルエットについては全3色がほぼすべて同様のため、次に紹介する白で解説しよう。

251118-32857.jpg
前襟の取り付けはステッチを表に出さない上品な仕様。後ろ襟から肩に掛けてタコバインダーで補強されている。

---fadeinPager---

白は天然コットンの色

250114-20705.jpg
形、生地、細部のすべてを追求したT-SHIRTSシリーズの出発点である白モデル。生地は厚み7オンスのヘビーウェイト。「Hanes T-SHIRTS SHIRO」¥2,970(XXLサイズのみ¥3,300)。

23年の初登場時に話題を呼んだ「Hanes T-SHIRTS SHIRO(以下、SHIRO)」。着心地のよさに驚くと同時に、生地がややクリーム色なことに戸惑った人もいるかもしれない。実はコットン本来の色は温かなクリーム(オフホワイト、生成り)であり、冷たい真っ白は漂白剤で色を落としたものだ。ファッションブランドでも素材の持ち味を愛するデザイナーほど無染色を好む。この事情を知る人ならヘインズがSHIROを白Tシャツの最上級に据えていることに納得だろう。
肉厚でコシがありつつも柔らかく、上質さを感じさせる仕上がり。肌触りのよさはT-SHIRTSシリーズ全モデルに共通する風合いである。

lp-shirokuromoku-26ss-other-shiro-2.jpg
ボディは丸胴と呼ばれる編み方で、両脇に縫い目がない。ゴロつかず身体の動きが楽だ。

それではSHIROを含むT-SHIRTSのシルエットだが、「メリハリがあるすっきりタイプ」といったところ。身幅はほどよいゆとりで、肩幅とアームホール(腕と肩の付け根周り)は広い。
流行のオーバーサイズをよく着る人がジャストサイズを選ぶとスリムに感じるのではないだろうか。袖先が腕に沿う細めに設定されていることも、スマートに見える視覚効果の要因のようだ。袖先が細いのはインナーにしたとき袖がもたつかない工夫。腕や胸を鍛えている人を見栄えさせる袖でもある。
外出着として着るならファッションモデル体型でもない限り、1〜2サイズ上を選ぶのもありだ。ただし長めの着丈がサイズアップするとさらに長くなる点は気にしておこう。

lp-shirokuromoku-26ss-feature-5-shiro.jpg
インナー対応の服として袖の長さは短め。袖先の幅が狭くなっている。

 

---fadeinPager---

黒は色褪せない

241126-18711 のコピー.jpg
色褪せが目立つ黒の欠点をカバーするTシャツ。「Hanes T-SHIRTS KURO」¥3,520(XXLサイズのみ¥3,850)。

23年のSHIROに続き25年に登場した「Hanes T-SHIRTS KURO(以下、KURO)」にも、生活に役立つ嬉しい性能がある。それは着続けても色褪せしにくく、濃い黒がキープされること。糸段階でしっかりと黒く染める手法により実現できたようだ。生地の毛羽立ちを抑えたことで、着用や洗濯で白っぽくなりやすい黒コットンの難点も軽減されているらしい。
では実際に洗って着て検証を……と思ったものの、洗濯テストは洗剤、洗濯機の回し方、乾かし方などで結果が大きく変わってしまう。一般家庭を想定した汎用テストが難しいため、ここでは割愛させていただく。プライベートで私物を何度か洗った実感では、確かに一般の黒Tシャツより色褪せが少ないと思ったことだけ述べておこう。

lp-shirokuromoku-26ss-other-kuro-2.jpg
糸段階で黒く染めるヘインズの独自製法で、毛羽立ちが少なく長く黒を保つ生地が完成した。

さて最後に、T-SHIRTSシリーズの総評を。この価格帯で購入できる無地Tシャツとしては間違いなく上等である。ヘビーオンスと呼ばれる厚手生地ながらしっとりと弾力がある。洗うとサイズが縮み、やや乾いた質感になるが着心地は快適だ。
ロックミシンの縫い目のゴロつきも、頑丈な縫製仕様との兼ね合いでよく抑えられていると思う。ネックがキュッと締まり顔が上品見えするのは実に現代的なファッション感覚である。
一方でボディラインに添うシルエットは好みが分かれるかもしれない。T-SHIRTSは時代を超えたヘインズ流のオーセンティックが追求されている。
サイズアップさせればゆったりと着られるが、そのぶん着丈が長くなる。パンツインする着方には着丈は長いほうがいい。一方でパンツアウト用に短いのを望むなら、街のお直し屋で丈詰めするのもひとつの手だ。料金が2〜3千円ほどするものの、Tシャツ自体がリーズナブルだから合計してもセレクトショップのオリジナルほどの価格になる。少しの手間でグッと自分好みに近づけられるのだからぜひトライを。同じ色を2着大人買いして、1着だけ着丈を変えるワードローブづくりも楽しいものだ。

241205-19148.jpg
ネックを詰めた襟は深いラウンド形状で、やや後ろ下がり。首周りと顔をすっきりとクリーンに演出するこだわりのディテール。

Hanes ONLINE STORE

www.hanesbrandsinc.jp/hanes/c/c10/

 

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。