【ディプティック新作「オルフェオン」】ジャズ香るオー ド トワレ、その軽やかな違いとは

  • 文:一史
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ディプティックから2月に新発売された「オルフェオン」シリーズのオー ド トワレ(左ボトル)。100mL ¥25,960。※右ボトルは既存のオー ド パルファン。

20世紀初頭のニューオリンズにはじまり、1950〜60年代を頂点として90年代のヒップホップにも受け継がれたアメリカの伝統音楽であるジャズ。その全盛期にアメリカ人以上にジャズに熱狂した国民がいる。それはフランス人である。アメリカから招いたジャズマンの演奏をクラブで聴き、新時代の感性を謳歌していたようだ。フランス映画『死刑台のエレベーター』(58年)の音楽をトランペッターのマイルス・デイビスが手掛け、『勝手にしやがれ』(60年)も同国のジャズピアニストが担当。メロディラインが曖昧なモダンジャズの即興演奏が、映画に不穏な空気を与えている。なお当時のパリのジャズシーンを体感できる映画に、作曲賞でオスカーを受賞したアメリカとフランスの合作映画『ラウンド・ミッドナイト』(86年)がある。ジャズ周辺カルチャーのムードに満ちた良作だ。

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スプレー式ボトルの図案は、視覚効果と光の戯れとを表現したもの。ディプティックによる初期のインテリアテキスタイルと、ジャズクラブのオルフェオンから着想された。

こうした時代背景を踏まえると、ディプティック(61年創業)の創業者3名がジャズクラブ好きだったという話にも深くうなずける。クリエイティブパーソンの溜まり場だったのだろう。彼らが通ったクラブの名は「オルフェオン(Orphéon)」。ディプティック本店の隣にあった。ブランドのルーツに敬意を払い、ディプティックは2021年にオルフェオンをイメージした香りを制作。現在の26年2月にオー ド トワレ(以下、トワレ)をラインナップに加えた。

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新作の世界一斉ローンチにあたりニューヨークのソーホーで開催されたポップアップイベントのフライヤー。同様のイベントが東京でも開催された。

オルフェオンの既存のオー ド パルファン(以下、パルファン)が夜遅いクラブの熱狂なら、新作トワレは店のオープン直後で空気がクリーンなひととき。酒は茶色のウィスキーでなく、透明なジントニック。煙草は濃いシガーでなく、薄い紙巻き。トワレを吹きつけた直後はシトラスや柚子が爽やかに広がる。時間が立つにつれ煙草の煙がさらりと漂ってくる。現代的なライト感覚のフレグランスであり、穏やかな苦みが大人男性にフィットするだろう。ローズやマグノリアの花も顔を出すため女性もつけやすそうだ。「男性寄りのジェンダーレス」と呼べるかもしれない。

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ディプティックには無料サービスのギフトラッピングがある。公式オンラインストアでもオーダー可能だ。
撮影:一史

新作トワレの価格は100mLで25,960円。片やパルファンは75mLで31,460円。香りの持続力が短めのトワレのほうが価格面で優位である。ただしトワレとパルファンで香りの傾向がやや異なる点をお見逃しなく。煙草やムスクなどの濃密な香りを望む人はパルファンを選ぶとよさそうだ。オルフェオンのシリーズにはこのたび、ハンドクリーム、フレグランスローション、ヘアフレグランスもラインナップに加わっている。自身のライフスタイルに応じたプロダクトを探す楽しみが大きく広がった。

DIPTYQUE

www.diptyqueparis.com

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。