「怪しすぎる…」真っピンクの空に話題騒然。嵐の夜に起きた一夜限りの現象

  • 文:宮田華子
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shutterstock_1139077037(大).jpegバーミンガム。Photo:Balate.Dorin/Shutterstock※写真はイメージです

1月8日の夕刻、イングランド中部バーミンガムの空が、普段とは明らかに異なる色合いを帯びた。街全体を覆うように「ピンク色」に染まっていたのである。 

夕焼けとも異なり、夜空としては異例の色調だったこの光景は、通勤・帰宅途中の市民の目を引き、次々と写真や動画が撮影された。ほどなくしてそれらはSNSに投稿され、世界中に不思議な光景が拡散されることとなった。

冬の気象条件がつくった「映りやすい空」 

突然の光景に、「何が起きているのか?」と不安を感じた市民も少なくなかっただろう。この日、バーミンガムを含むウエスト・ミッドランズ地方は、嵐「Storm Goretti」の影響下にあり、天候との関係を考えた人も多かったはずだ。

しかし「なぜピンク色」だったのか。

雪や低い雲が街の明かりを反射し、夜空が明るく見える現象自体は、冬の都市では珍しいものではない。だが、通常はオレンジや白っぽい色合いになることが多く、ここまで明確なピンク色になるのは異例である。単に天候だけでは説明しきれない点が、この夜空をより印象的なものにしていた。

「ピンク色の空」の理由 

気象条件だけでは説明がつかないとなると、「ピンク色の光はどこから?」という疑問がわく。

空がピンク色に見えた時間帯、市内では赤みを帯びた光が使用されていた場所があった。バーミンガム市内にあるサッカークラブ「バーミンガム・シティFC」の本拠地スタジアムで使用されていた照明である。

スタジアムでは冬季、芝生の育成を促す目的で、赤みの強いピンク色のLEDライトを夜間に点灯している。

嵐により、いつも以上に低い雲と雪に覆われたこの日の大気は、地上から放たれた光を上空へと反射・拡散しやすい状態にあった。スタジアムからのピンク色の光は、雲を巨大な反射面のように照らし、その色が空全体に広がって見えたと考えられる。つまり、空そのものが発光していたわけではなく、人工光と気象条件が重なった結果、夜空が着色されて見えたのだ。

この仕組み自体は特別なものではないが、光の色と天候条件がここまで明確に重なることは多くない。そのため、見慣れた都市の風景が一変したように映り、強い印象を残すことになった。

SNSで共有された一夜限りの光景 

ピンク色に染まった夜空を捉えた写真や動画は、XやInstagramを通じて広く共有された。報道によると、数百万回再生された投稿もあり、現地の出来事は短時間のうちに国境を越えて伝えられた。もっとも、投稿の多くは原因を断定するものではなく、ただ目の前の光景を記録するものだった。 

数時間後、天候の変化とともに空の色は元に戻った。翌日には、前夜の出来事がなかったかのように、いつもの冬の空が広がっていた。 

雪、低い雲、そしてスタジアムのLED照明という条件が偶然重なったことで生まれたこの光景は、都市の夜に起きた一度きりの現象として、多くの人の記憶に残ることとなった。

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ピンク色に染まるバーミンガム。。

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街全体が鮮やかなピンク色に包まれた。