【体重13キロvs1.7トン】小さなシカと巨大なサイが決闘!勝ったのはどっち?

  • 文:宮田華子
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shutterstock_2687718819(大).jpegサイ。 Photo:Michael J Magee/Shutterstock※写真はイメージです

ポーランド南西部、ドイツ国境に近いヴロツワフにあるヴロツワフ動物園で撮影されたある動画が、世界中で視聴されている。 

映っているのは、体重およそ13キロの小型のシカが、体重約1.5〜1.7トンとされる巨大なサイを相手に、果敢に立ち向かう姿だ。 

その極端なサイズ差が生む光景は、多くの人に強烈な印象を残した。

行動の裏にある“本能”とは

動画に登場する小さなシカは、中国南部原産のキョン(Chinese muntjac /Reeves's muntjac、シカ科ホエジカ属に分類されるシカの一種)である。一方の相手は、厚い皮膚と一本角が特徴のインドサイだ。雪の残る動物園内エリアで、キョンはサイの周囲を素早く動き回り、何度も頭を突き出すような仕草を見せる。対するサイは大きく身をかわしたり、頭を振ったりするものの、激しく反撃する様子のではなく「逃げ腰」に見える。この「にらみ合い」「決闘」のような場面が動物園の公式SNSに投稿されると、瞬く間に拡散された。

海外メディアや専門家は、この映像について、「(この)キョンの行動は、攻撃というよりも本能的な自己主張である可能性が高い」と指摘している。キョンは体は小さいが縄張り意識が強く、特にオスは繁殖期になるとホルモンの影響で大胆な行動に出ることがあるという。動物園側も、今回の行動はエネルギーの発散や立場を誇示するためのものと説明しており、深刻な衝突ではなかったと見ている。

この光景を、欧米メディアの一部は「ダビデ対ゴリアテ」と表現した。これは旧約聖書に登場する物語で、非力な少年ダビデが、圧倒的な体格を持つ巨人ゴリアテを打ち倒したという物語に由来する比喩である。欧米では「小さな者が巨大な相手に挑む構図」を象徴する言い回しとして広く使われており、今回の動画もその分かりやすい対比から、この表現が当てはめられた。

公開された“続き”が示す穏やかな日常

話題が広がった2日後、ヴロツワフ動物園は別の動画も公開した。そこには、インドサイとキョンが同じ場所で草を食べ、落ち着いて過ごす様子が映っている。

先に公開された「決闘動画」のような緊張感はまったくなく、互いの存在を気にする様子も見られない。動物園はこの映像について、両種は同じエリアで長年共存しており、普段は平穏な関係にあると説明している。

2つの動画は、動物の本能や個性が予想外の形で表れることを示した。小さなキョンと巨大なインドサイが見せた一瞬の緊張と、その後に続く穏やかな日常。この対比が、多くの人の心をつかんでいる。

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公式SNS動画(instagram & Facebook)だけでも1000万回以上視聴されている「決闘」動画。@zoowroclaw - instagram

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こちらが「続編」。仲良く食事を共にしているシカとサイ。@gregor_konop - X