Photo:lev radin/shutterstock※写真はイメージです。 1月9日、キャサリン妃は44歳の誕生日を迎えた。しかし、例年この日に合わせて公開されてきた公式ポートレートは発表されなかった。代わりにケンジントン宮殿が公開したのは、自然をテーマにした映像シリーズ「Mother Nature(母なる自然)」の最新動画である。
「Mother Nature」はウィリアム王子とキャサリン妃が昨年から製作してきた春夏秋冬の全4本で構成される動画シリーズだ。今回投稿された「冬」が最終章であり、誕生日を祝うメッセージというよりも、静かな内省を共有する作品だった。
「自然に癒された」という個人的な語り
英メディアによると、このシリーズはキャサリン妃ががん治療の過程で自然から支えを得た経験をもとに制作されたという。最新作でも、森や水辺の風景の中で自然の力について語る彼女の姿が映し出される。映像は詩的で、まるで短編映画のような仕上がりだ。
一方で、そのメッセージは極めて抽象的で、何を伝えたいのかが分かりにくいという印象も残す。誕生日という明確な節目とこの動画のテーマとの関係性は、視聴者側の解釈に委ねられている部分が大きい。
「誰も求めていない?」SNSに見られた率直な反応
動画公開後、SNSでは賛否両論が広がった。「感動的で誠実だ」と評価する声がある一方、厳しい意見も少なくない。
一部のSNSユーザーからは、「ただのPRビデオに感じる」「ポイントが無い」「誰もこれを求めていないのでは」といった率直な感想が投稿された。また「誕生日なら(例年どおり)公式ポートレートを出せばよかった」といった声も見られ、従来の慣例を期待していた層の戸惑いがうかがえる。
さらに、「四季の存在を(皆に)教えるために税金が使われているなんて、ありがたいと思うべき?」という皮肉を込めたコメントもあった。美しい映像であり、製作費にそれなりの金額がかかっていることは容易に想像できる。公的資金が投入されている王室の発信だけに、内容が抽象的であったり国民感情からずれてしまうと、人々の苛立ちや不満につながりやすい。
ポートレートを出さなかった意味
今年、誕生日の公式ポートレートが公開されなかった理由について、宮殿側からの明確な説明はない。何らか「例年と異なる発信がしたかった」という意図は読みとれるが、毎年この日を楽しみにしてきたロイヤルファンが落胆を覚えたとしても不思議ではないだろう。
また、「自然に癒された」という語りは、多くの共感を呼ぶ一方で、最新医療や恵まれた環境にアクセスできる立場だからこそ可能な体験ではないか、という複雑な受け止め方も存在する。
今回の動画は、キャサリン妃の個人的な内省であると同時に、王室が現在模索している新たな自己表現の形を映し出している。「次世代のロイヤル」として、従来の慣習に頼らず、個人としての王室と国民との距離を測る「新しい発信の在り方」を探しているのかもしれない。
今後の発信に、ますます注目が集まりそうだ。