今年12月5日の午前3時過ぎ、テキサス州サンアントニオのある住宅街の監視カメラに、目を疑うような光景が映り込んだ。野生動物の観察用に設置されていたカメラに、わずか2歳の女の子が、靴も履かずに裸足のまま、ドレス一枚の姿で森の中をさまよっていたのである。
真夜中に森の中をさまよう幼子
この映像を確認した住民はパニックに陥り、即座に警察へ通報した。この日は気温4℃と寒く、警察当局は女の子に命の危険があるとして大規模な捜索を開始した。しかし、女の子の行方はわからないままだった。
事態が動いたのは午前7時過ぎのこと。カメラに映っていた女の子の母親と名乗る女性(21)が警察に連絡し、「娘が家を抜け出していた」と告げたのである。
話によると、この母親は午前4時過ぎにはで娘を自力で見つけて家に連れ戻していた。しかし、警察が娘を探していることを知りながら、発見後も数時間にわたって通報を怠っていた。
凄惨な家の中
警察官が女性の自宅を訪問すると、そこには信じがたい光景が広がっていた。家の中にはゴミや汚れた衣類が散乱し、腐敗した食べ物が放置され、ネズミの糞がいたるところに落ちていた。さらに、家中に強烈な尿の臭いが立ち込めていたのである。
行方不明だった女の子も無事が確認されたが、その衣服は汚れたままだった。警察官は女の子の着替えと病院での診察を勧めたが、母親はこれを拒否。当局は、子供が置かれた極めて劣悪な環境と、適切なケアの拒否を重く見て、母親をその場で拘束した。
祖母による口封じ
しかし、事件はこれだけでは終わらなかった。女児の祖母が責任者との面会を待つように命じられた直後、その場を立ち去ったのである。
祖母が向かったのは、2歳児の兄姉に当たる3人の孫たち(全員8歳未満)が通う小学校だった。彼女は3人の子供たちを教室から無理やり連れ出そうとした。学校職員の証言によれば、祖母は「児童保護サービスがもうすぐ来る」と言い、子供たちに「今朝のことは誰にも話すな」「これは家族のプライベートな問題だ」などと口封じを図ったという。
警察はこの行動を「児童の安全調査に対する妨害であり、さらなる危険を子供たちに及ぼす行為」と断定。祖母も学校で拘束され、兄弟4人全員が病院へ搬送されて、精密検査を受けることとなった。
母親は、児童遺棄罪および身体的危害の差し迫った危険を招いた罪などで逮捕された。また、祖母も虐待およびネグレクト調査の妨害容疑で逮捕された。二人は拘置所に収容されたが、母親は5万ドル(約770万円)、祖母は7,500ドル(約116万円)の保釈金を支払って釈放された。
当局は、現在もこの家庭の全容を把握するための調査を継続している。
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【動画】事件のニュース映像
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