ニュージーランドで、オットセイの子どもがバーに迷い込むという珍事が発生した。店主はこの予期せぬ「荒くれ客」を店外に連れ出すため、「本日のスペシャルピザ」のトッピングを使って捕獲を試みたという。
犬かと思ったらオットセイ
今年11月30日の午後5時過ぎ、ニュージーランド南島のリッチモンドにあるクラフトビールバーSprig + Fern The Meadowsに珍客が姿を見せた。このバーの共同経営者であるベラ・エヴァンスさんは、地元メディアに対し当時のことを次のように振り返る。「最初、犬だと思ったんです。うちは犬同伴可の店なので。二度見して、オットセイの子どもだとわかりました」
目を丸くする店員や客たちを横目に、ニュージーランドオットセイの子どもはバーの中をピョコピョコと歩き回る。客が上着を使ってオットセイを店の外へと誘導しようとしたが、オットセイは逆に店のトイレへと逃げ込み、さらには食洗機の下に隠れてしまった。
これを見た客の一人が犬用のケージを提供、ベラさんは「サーモンを持ってきて」と叫んだ。隠れているオットセイを「本日のスペシャルピザ」のメインで誘い出そうとしたのだ。
この作戦はうまくいった。オットセイは無事保護され、店の名前にちなんで「ファーン（Fern）」と名付けられた。ファーンは、通報を受けて駆けつけたニュージーランド自然保護局によって引き取られ、犬のいない安全なラビット島で解放された。
この出来事を店のSNSで紹介したところ、店内を走るオットセイの姿や右往左往する人間たちの様子を捉えた動画はたちまち注目の的となり、地元メディアを含め多数メディアに取り上げられる事態となった。動画には「かわいい！」「お酒を飲むには若すぎるのでは」といったコメントが多数寄せられた。
このバーはタスマン湾から1kmほど離れた場所にある。保護当局によると、この時期は若いオットセイの「おふざけシーズン」で、好奇心旺盛なオットセイたちが川を遡り、海から遠く離れたゴルフ場や民家の庭先に現れることもそれほど珍しくないという。
ベラさんはファーンについて、「店からつまみ出さなければならなかった最初の荒くれ客」とジョークを交えつつ、「また来るなら大歓迎」と語っている。
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【動画】お店に乱入するオットセイの子ども