「全身が真っ青…」チェルノブイリに現れた“青い犬”の姿にネット騒然

  • 文:吉井いつき
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Shutterstock ※画像はイメージです

1986年の事故以降、外界から隔絶されてきたチェルノブイリ原子力発電所。その立入禁止区域内で、体毛が青色に変色した犬が発見され、ネット上で大きな話題を呼んでいる。

禁止区域に棲みつく「青い犬」

青い犬が発見されたのは、事故現場から半径約30キロ圏内のチェルノブイリ立入禁止区域内だ。この地域にいる犬たちの健康管理を行う非営利団体クリーン・フューチャーズ・ファンドの関連組織ドッグス・オブ・チェルノブイリが、青く染まった犬たちの姿をInstagramで公開した。

投稿された動画には、犬の毛皮が明るい青色に染まっている様子が映っている。青くなった犬は3匹いたといい、「何が起こっているのか正確には分からない」と団体側も困惑を隠していない。この投稿には2800件以上のいいねが付き、「かわいそうに」「助けてあげてくれ」と多くの動物好きからコメントが集まった。

青くなった原因は?

チェルノブイリという特殊な場所ゆえ、変色の原因として高レベルの放射線被ばくではないかとの憶測も広がった。しかし、動画を撮影した団体は、「放射能が原因である可能性は低い」との見解を示している。

では、なぜ犬たちの毛皮は青くなってしまったのか? 現在、最も有力視されている説は、何らかの化学物質に接触してしまったというものだ。

団体によると、近くにある仮設トイレから青い色の薬品が漏れ出ているのが確認されたそうだ。このような化学物質に触れてしまった結果、犬の毛皮が青くなってしまったというのである。この青い着色は一時的なものであり、時間が経てば消えるだろうと団体側は予測している。

原発事故が残した700匹の犬たち

チェルノブイリ周辺の立入禁止区域内には、推定で700匹を超える野良犬が生息しているという。原発事故発生時に避難した住民が、「3日後に戻れる」と信じ、家に置き去りにしていったペットの子孫たちだ。

事故後、住民たちは二度と故郷に戻ることを許されなかった。残された犬たちは、放射線にさらされながら、オオカミなどの野生動物と戦いながら生き延びてきた。

現在、この地域にいる犬たちは栄養失調や狂犬病のリスクにさらされているが、区域外に出すことは許可されていない。そのため、特別な許可を受けた保護団体が健康管理と不妊手術を行っている。

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【動画】チェルノブイリで見つかった青い犬たち