【ジョルジオ・アルマーニ】50年間の軌跡! 歴史的アーカイブを目にできる展示を銀座で開催中

  • 文:福島吏直子
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変わらぬ美学で世界を魅了し続けるジョルジオ・アルマーニは、50年にわたる創造の軌跡を振り返る特別展示『ARMANI/Archivio』を10月27日から11月16日まで、アルマーニ/銀座タワーで開催中。ブランドの歩みとともに、その哲学とスタイルの変遷をたどる展示だ。

過去と未来をつなぐ、ジョルジオ・アルマーニのアーカイブ・プロジェクト

本展では、衣服やスケッチ、広告ビジュアルなどを通して、アルマーニの創作の軌跡をデジタル化し、過去と未来をつなぐアーカイブ・プロジェクトとして展示。「テクニカル」「文化的」「文脈的」という3つの視点から構成され、アンコンジャケットに象徴される革新的な技法、社会や人々に影響を与えた一着、そしてアルマーニらしいコードや表現様式が取り入れられている。

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アルマーニが築いてきた50年の美学。色、フォルム、素材が織りなす構築と解放のバランスが、ブランドの現在を語る。

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「色」「フォルム」「素材」、3つのテーマで響き合う展示構成

ブランドの理念を「色」「フォルム」「素材」という3つのテーマで再構成。訪れる人がアルマーニの美学を直感的に感じ取れるようにデザインされている。「色」はグレージュの濃淡が織りなす繊細なニュアンスを描き出し、「フォルム」はブランドを象徴するシルエットを継承。「素材」では、重なりによって生まれる奥行きと表情を表現している。

全体を通して感じられるのは、華やかさを抑えつつ洗練を極めた、アルマーニ独自の美意識だ。その精神は、展示の一つひとつにも表れている。メンズウエアではやわらかなジャケットがアルマーニらしい軽やかさを体現し、ウイメンズでは繊細な刺繍が精緻なクラフツマンシップを際立たせる。アプローチは異なっていても、空間全体にブランドの本質が一貫しているのが感じ取れるはずだ。

4F_GA_W_FW_1990_closeup.pngグレージュの濃淡が織りなすやわらかな色合い。光の移ろいとともに、アルマーニが追求してきたエレガンスが浮かび上がる。
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軽やかなレイヤリングが生む陰影と質感。布の動きそのものが、美と洗練を映し出す。
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ノースリーブドレスに施された繊細なビーズの装飾。自然な流れを生かしたフォルムが、アルマーニのタイムレスな美を際立たせる。

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創造と継承が交差する空間

展示の壁面には、衣服の構造や素材の重なりを可視化したX線写真が飾られている。修復や保存のプロセスにも通じ、アルマーニが大切にしてきた創造と継承の姿勢を象徴している。過去の遺産を単に保管するのではなく、未来のクリエイターや研究者に新たな発想をもたらすアーカイブとして受け継がれる。

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ジョルジオ・アルマーニの50年の軌跡を、デジタルアーカイブとしても表現している。

『ARMANI/Archivio』

会期:2025年10月27日〜11月16日
会場:アルマーニ / 銀座タワー
(東京都中央区銀座5丁目5)
問い合わせ先/ジョルジオ アルマーニ ジャパン
TEL:03-6274-7070
https://archivio.armani.com/ja