
ランドクルーザーの歴史は、1951年に当時の警察予備隊(現陸上自衛隊)の入札に向けて作られたトヨタBJ型に端を発する。1954年に車名をランドクルーザー(以下ランクル)に変更。「陸の巡洋艦」を意味する車名に違わぬ実力で、誕生以来70年以上にわたり、累計1,215万台が190を超える国と地域で人々の命を守り、暮らしを支えてきた。
そして、現在ランクルは3つのシリーズを展開する。まずは常に最新技術を導入し、フラッグシップとして進化を担うステーションワゴン(“300”シリーズ)、続いて高い耐久性と整備性でワークホースを担うヘビーデューティモデル(“70”シリーズ)、最後は質実剛健を追求し、人々の生活と実用を支えるという原点に回帰し、2024年に誕生したランクルの中核モデル(“250”シリーズ)だ。
いずれも人々の生活にとって頼もしい「信頼性・耐久性・悪路走破性」を備えたモデルだが、そこに今回、自分らしく楽しむ自由「Freedom&Joy」という新たな価値を提供するシリーズ、ランドクルーザー“FJ”がラインナップに加わる。
左から/ランドクルーザー“FJ”(プロトタイプ)、ランドクルーザー“FJ”(海外カスタマイズ仕様・プロトタイプ)
このランドクルーザー“FJ”は、“250”シリーズで原点回帰したからこそ見えた、「もっと多くのお客様にランクルを楽しんでいただきたい」という思いから、生まれたシリーズだ。
なによりわかりやすい魅力は、ルックスの良さ。つまりはエクステリアデザインだろう。直方体ボディと角をそぎ落とした面取り構成により、精悍でありながら愛嬌もある、誰にでも好かれそうな顔立ちを実現した。
引き締まったシンプルなボディに力強いバンパーと張り出したフェンダーの構成が圧倒的な安定感を表現。
また、フロント、リヤともにコーナーバンパーを取り外し可能な分割タイプにすることで、壊れた部分のみ交換できるのはありがたい。これは優れた利便性に加えて、より個性的にランクルを楽しめるカスタマイズへの対応にも配慮されている。
車両姿勢が認知しやすくなるために水平基調のインストルメントパネルを採用。視点移動が少なくなるように機能も集約されて配置されている。
インテリアで重視されているのは、移動の楽しさを体験できる室内であること。
路面の状況や天候にかかわらず、どんな環境で運転する時でも瞬時に認知、操縦ができるコクピットレイアウトを実現。見通しの良い前方視界を確保したり、ベルトラインと呼ばれる窓枠の下端を低く設計することで悪路でも路面を見下ろしやすくなっている。
また、プリクラッシュセーフティなどの先進機能を付与した予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」が採用され、より安心な運転をサポートしてくれる。
全長×全幅×全高は、4,575×1,855×1,960mm。ホイールベースは2,580mmとなっている。
走行面では、悪路走破性に加えて、ホイールベースは“250”シリーズ比でマイナス250mmを実現。最小回転半径5.5mの取り回しの良さ、オフロードでの卓越した機動性は、ランクルに新たな魅力をもたらしている。
デフォルトでも十分魅力的なランドクルーザー“FJ”だが、目的や用途に合わせてカスタマイズができるオプションの導入も予定。自分らしい生活を送る多くの人にとって魅力的なモデルとなっている。
日本での発売は2026年年央頃の予定だ。それに先駆けて、2025年10月30日(木)から(※一般公開は11月1日(土)から)11月9日(日)まで東京ビッグサイトで開催される「Japan Mobility Show 2025」にて、ランドクルーザー“FJ”の実車がお披露目される。気になる人はぜひ足を運んでみたい。
ランドクルーザー“FJ”