東京・南青山のみゆき通りに、新たなランドマークが誕生した。10月17日、「プリーツ プリーズ イッセイ ミヤケ 青山」が、旧店舗から目と鼻の先に移転オープン。フロム・ファースト・ビルの隣に構え3フロアからなる旗艦店は、ガラスとアルミニウムが織りなす透明感あふれる空間で、訪れる人々を迎える。
店内のデザインを手掛けたのは、これまでもブランドロゴや世界各地の旗艦店を担当してきた吉岡徳仁。東京2020オリンピック聖火リレートーチのデザインでも知られる氏が、長年取り組んできたアルミニウムの可能性を追求し、ガラスとの融合によって生み出したミニマルな空間が広がる。
通りに面した1階に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは壁一面を彩る色とりどりのプリーツアイテムの世界。紙に挟まれた鮮やかな衣服たちが、まるでアート作品のように配置され、製品プリーツ技法の本質を視覚的に物語る。宙に浮かぶように設計された特別なハンガーラックは、プリーツ プリーズならではの軽やかさを表現。透明なガラスケースの中では、スティック状に巻かれた生地が整然と並び、機能性と美しさの融合を見せている。
1988年のウィメンズコレクションで発表された、製品プリーツという発想の原点となる服から発展し、93年に独立ブランドとして始動したプリーツ プリーズ イッセイ ミヤケ。1本の糸から素材を開発し、縫製後にプリーツ加工を施す「製品プリーツ」という独自技法により、軽さ、着やすさ、水洗い可能という機能性と、身体の動きに寄り添うシルエットを実現してきた。
新店舗では、このブランドの哲学がより洗練された形で表現されている。インダストリアルな素材感と透明感が生み出す空間は、決して冷たさを感じさせない。むしろ、カラフルな製品たちが放つエネルギーと相まって、訪れる人々に新鮮な驚きと楽しさをもたらす。
吉岡のデザインは、プリーツ プリーズの本質である革新性とユーモアを、建築的な美しさで包み込んだ。アルミニウムの堅牢さとガラスの透明性、そして色彩豊かな衣服たちが奏でるハーモニーは、ファッションと空間デザインの新たな可能性を示している。
現代を生きる人々の「着る歓び、着る自由」に寄り添い続けるプリーツ プリーズ イッセイ ミヤケ。その精神を体現する新空間で、プリーツの無限の可能性に触れてみてはいかがだろうか。
© ISSEY MIYAKE INC.
プリーツ プリーズ イッセイ ミヤケ 青山
住所:東京都港区南青山5-3-8営業時間:11時~20時
TEL : 03-5772-7750