アメリカ、アラバマ州の男性が、生きている人の中で最長の天然あごひげとしてギネス世界記録に認定された。その長さはなんと約107cm。もはや“ひげ”というより“神話のオーラ”で話題になっている。
記録保持者となったのは、バーミンガム在住のルドルフ・マーティノさん。元歌手、ダンサー、重量挙げ選手という異色の経歴を持つ彼は、現在は競技ビリヤード選手として活躍中。そして、その長く威厳のあるひげには深い哲学と文化的背景が込められているという。
「私はエジプトやインドなど、何千年も続く文化を徹底的に研究し、その伝統に自分の個性を融合させた」とマーティノさん。彼のひげは、インドの聖職者やラスタファリアンのスタイルからインスピレーションを得た、“生きたアート”だ。
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手入れは2週間に1回のフルコース…アラバマで“異端”扱いされることも
この記録的なひげを保つためのルーティンは、まさに修行そのもの。彼は毎日保湿剤を塗り、2週間ごとに約1時間かけて洗髪。その後、完全に乾かすまでに3日を要するという。
SNSでは「乾かしてる間にまた伸びそう」「もはやペットの世話」といったコメントも飛び交っている。
マーティノさんは、自分の髪とひげを「表現の一部」として誇りに思っているが、時には周囲の反応が冷ややかなことも。「アフリカ系アメリカ人として、ターバンとローブで限界に挑戦してきた。でも、ここバーミンガムでは“異端”と思われることもある」と語る。
それでも彼は、自分の信念を貫く。「誰の自然な髪も差別されるべきじゃない。髪は、私にとって根・枝・葉・果実を持つ“生命の象徴”なんです」
さらに今後ひげを切る予定は?と尋ねると、「髪を切るつもりもまったくありません」とマーティノさんは即答した。
「木に根があるように、私にとってこの髪は、強さと成長の証。そして私が世界にもたらす“果実”とは、創造力、思いやり、そして世界をより良くするための力なんです」
SNSでは「悟りを開いてるレベル」「もう仙人では?」などのコメントが相次いでおり、その“ひげの哲学”に心を動かされる人も多いようだ。
単なる長いだけではなく、文化や信念、自己表現を込めたという1本。マーティノさんのひげは、まさに生きる芸術作品と呼ぶにふさわしいのか?
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