「軟膏で治そうとしていた」自然治癒信仰の怖さにネット騒然…首の“頭サイズ”の巨大腫瘍を16年も放置した65歳男性の命懸けの施術が話題に

  • 文:大村朱里
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Shutterstock-Parilov ※写真はイメージです

「自然に治る」と信じて16年…首から“頭サイズ”の巨大腫瘍を放置した65歳男性、ついに切除される
ロシア・キロフ市に住む65歳の男性が、首から頭ほどの大きさにまで膨れ上がった巨大な腫瘍を外科手術で切除した。驚くべきことに、この腫瘍は16年間も放置され続けていたという。

男性が最初に首のしこりに気づいたのは十数年前。当初は小さな膨らみで、痛みもほとんどなかったため、「きっとそのうち自然に治る」と思い込み、病院へ行くことはなかった。それからというもの、彼は民間療法や軟膏などの「自然治癒」をうたう方法を試し続けたが、どれも効果はなく、腫瘍は確実に成長していった。

家族や友人から医師の診察を勧められても、男性は「こんなものは薬草で治る」と耳を貸さなかったという。そして気づけば、腫瘍は首全体を覆い、頭ほどの大きさに膨張していた。

医師も驚愕「軟膏で治そうとしていた」

男性がようやく病院を訪れたのは、呼吸や睡眠に支障を感じるようになってから。診察を受けたキロフ州立臨床病院の医師たちは、目の前の光景に言葉を失ったという。患者の首には、まるで別の“頭”が生えているかのような巨大な塊。しかも、本人はそれを「軟膏で治そうとしていた」と平然と語った。

「通常、このような脂肪腫はゆっくりと、しかし確実に成長する。痛みが出る頃にはかなり大きくなっていることが多い」と、同病院外科部長イゴール・ポピリン氏は地元メディアに語る。「だが、どんなに自然療法を試しても、脂肪腫は消えない。唯一の有効な治療法は外科的切除です」と強調した。

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命の危険を伴う“超難易度”の手術

検査の結果、腫瘍は良性の脂肪腫であることが判明。とはいえ安心できる状況ではなかった。腫瘍は頸部神経叢と呼ばれる、脊髄へとつながる神経や主要血管が密集する部位のすぐそばにまで入り込んでおり、手術にはミリ単位の精度が要求された。

手術チームは、腫瘍があまりに大きく、仰向けに寝かせることができなかったため、患者は横向きのまま数時間にわたり手術を受けたという。

「まるで彫刻のように、どこまで切れば安全なのかを見極めながら進める必要がありました」とポピリン氏。手術は無事成功し、腫瘍は完全に摘出された。術後、男性の体調は安定しており、現在は回復に向かっている。

「自然治癒信仰」の怖さにネットも騒然

このニュースはロシア国内で大きな話題となり、SNS上では驚きとツッコミの声が殺到している。「ここまで我慢できるの、ある意味すごい」「自然治癒力を信じるのは自由だけど、16年は信じすぎ」「民間療法って本当に“信仰”なんだな…」

一方で、「医療への不信感が強い地方では、こうしたケースは珍しくない」という意見もあり、医療リテラシーの格差を指摘する声も上がっている。

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【画像】“頭サイズ”の巨大腫瘍を放置した65歳男性の手術の様子。