皆さん、クロッグサンダル愛用してますか??
クロックス、メレル、キーン、アディダス、ナイキなどのスポーツ系から、コールハーン、ビルケンシュトックなどのシューズブランド、無印良品やGUといったアパレル、さらにヨーロッパのハイブランドまで選べる幅が大きく広がりました。
クロッグの一般的な定義は丸っこいサボのようなシルエットの突っ掛けシューズのことですが、ここでは樹脂の一体成型タイプをそう呼ぶことにします。
チープシックな味わいが魅力ながら難点もあり、それは足に馴染みにくいこと。
安定感が悪かったり、素足で履くと汗でベタついたり。
その問題をクリアにしてクロッグを新たな次元に押し上げた1足がこの秋に登場しました。
リカバリーウェアに定評がある「TENTIAL(テンシャル)」の、その名も「リカバリーサンダル」です。
これ、走れます!
(個人の感想)
「HOKAかよっ」と思ってしまったほど、クッション力と反発力に優れてます。
初めて履いたとき、ふわふかで足にフィットして驚きました。
「厚底ランニングシューズのようだ」と思ったら、内部にカップインソールが仕込まれていることが判明。
このインソールが凄い!
足の裏を支えるべくアナトミカルな凹凸があるのがおわかりですか?
(判別しにくい写真ですみません)
アーチが大きく盛り上がってます。
足をしっかりとホールド。
履き心地のいい革靴で有名なオールデンのモディファイドラストも、アーチフィットで歩き疲れを軽減させてますね。
さらにこのアーチは海外スニーカーのインソールと比べ中心部がややヒール方向に下がってます。
これがTENTIALのひと工夫。
膨大な日本人の足型を研究して導き出したアーチ構造だそう。
足幅が広い人が多い日本人は、足寸が短いのに大きめサイズを選ばざるを得ません。
アーチがヒール寄りに下がってしまうのです。
細い欧米人の足に合わせたシューズが合うはずもなく。
そこに切り込んだのがTENTIAL。
インソール裏面の構造も独特。
このクロッグの売りはインソールにあると言い切っていいでしょう。
TNTIALは「一般医療機器」として「独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)」の認可を受けたリカバリーウェアなどを販売するメーカー。
東京だと虎ノ門ヒルズ、新丸の内ビルディング、池袋パルコなどに店があり、先日グランドオープンした話題のニュウマン高輪にも出店してます。
プロスポーツ選手とのつながりも深く、2018年の創業にして東証グロース市場にも上場したやり手の会社です。
意外にも彼らの最初の製品はシューズのインソール。
スポーツマンの創業者が身体を壊した体験から始まったそうです。
パジャマや寝具などホーム分野に勢いがある会社ですが、ルーツを大切にしていることをこの新作シューズで実感しました。
靴底は穴開き。
アッパー横にも穴があり通気性を確保。
樹脂シューズは汗を発散させず蒸れやすいものです。
ただ部屋で履いて1時間ほど椅子に座り脱いだとき、「ちょっと蒸れたかな?」と感じました。
ところが屋外を2時間ほど歩いたら、なんとソックスの濡れもなく足がさらさら。
歩くことでポンプになり内部の空気が循環したようです。
通気穴は歩きでこそ真価を発揮する機構だと納得。
逆に考えると防水性がないワケですから、雨の日や水辺はNGです。
アッパーとミッドソールは柔らかな樹脂で、アウトソールのトゥとヒール部分に固めの別素材が貼られてます。
地面のグリップと耐久に配慮した構造。
見た目はシューズなのに商品名は「リカバリーサンダル」。
ヒール部分がネオプレン(水中で着るウェットスーツの素材)で、ここを潰すと突っ掛けサンダルになります。
“シューズ”と命名しなかったのはTENTIALの良心でしょう。
ネオプレンは滑りがよくヒールをちゃんとホールドできません。
潰してサンダルにするほうが歩きやすいケースもあり。
このあたりは足型、選ぶサイズ、履くソックスによって変わりそうです。
わたしは少し大きめサイズにしたせいもあってか、ちょっとパカパカしますね。
(問題なく歩けますが)
でも、マジで走れるんですよ w
歩くより走るほうが安定するほど。
短時間なら本格ランニングシューズに並ぶレベル。
(あくまでも個人の感想)
信号点滅の横断歩道や「電車に遅れそうっ」ってときに緊急回避できます。
ではここで、皆さんが気になっているであろう価格を発表しましょう。
税込み9,900円なり。
超高機能インソールつきでこのプライスはリーズナブルだと思います。
スポーツ系クロッグの平均価格が1万円前後の印象ですから、高く感じる人は少ないのでは?
店に行かずともTENTIAL公式サイトでネット購入でき、サイズ展開は2XS(22cm)から2XL(28cm)までの7サイズ。
クロッグ好きな人は見過ごすともったいない良作です
最後にもうひとつ、TENTIALについての補足話を。
クロッグの優秀さに惹かれて、この会社のインソール単品をネット購入してみました。
届いたパッケージがこちら。↓

なにやら左下に文言があります。
拡大してみると、
配達の人を労うメッセージが!
なんという配慮、なんというアイディア。
社会の動き、物流システムをよく考えていることの証でしょう。
下請けを見下して強い態度に出るような会社はもう生き残っていけな……いや、いけるのかもしれませんが(!)、客からは愛されなくなっていくでしょう。
「いい会社かもしれない。ならば製品も信頼できるかな」そう客に感じさせることを、例え戦略的な狙いだとしても企画して実行できるのは素晴らしいと思います。
皆さんはどう感じましたか?

ファッションレポーター/フォトグラファー
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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