【裸の自転車大会】米ヒューストンを駆け抜けた、数百人のサイクリストたち

  • 文:吉井いつき
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Shutterstock ※画像はイメージです

米テキサス州ヒューストンで9月13日、裸で自転車に乗って街を走るユニークなイベント「ワールド・ネイキッド・バイク・ライド(World Naked Bike Ride)」が開催された。第14回目となる今回のテーマは「Take the Lane(車線を奪え)」。より安全に自転車に乗れる街を目指し、大勢の裸のサイクリストたちが道路を駆け抜けた。

世界的な人気イベント

ワールド・ネイキッド・バイク・ライドは、世界各地で毎年のように開催されている有名イベントだ。アメリカでは今年、オレゴン州ポートランドでも開催された。

参加者は「裸同然」になることが求められる。安全のための靴やヘルメット以外は基本的に身につけないことになっているが、水着や下着、ストッキングなどを着用することも可能だ。参加者それぞれができる限りの「裸」になって、自転車で街を走るのだ。

今回のイベントでも、ほぼ全裸のような姿の参加者もいたが、短パンにシャツのような薄着の参加者も見られた。サイクリストたちは午後6時から8時までの2時間、ヒューストン市内を通るおよそ19キロのコースを和やかな様子で走り抜けた。

イベントの目的は市政へのメッセージ


ワールド・ネイキッド・バイク・ライドの目的は、参加者たちが裸を晒すことでドライバーたちに「自転車に乗る人々も生身の人間であり、脆弱な存在だ」と訴えかけることにある。道路は自動車だけでなく、歩行者や自転車も共有する場所であるという意識を社会に広め、より安全な道路環境を築くことを目指しているのだ。


今回のヒューストン大会では、特にサイクリストの安全確保に焦点が当てられた。テーマの「Take the Lane(車線を奪え)」は、ヒューストンの交通事故の多さとそれに対応しない市政への批判を含んでいる。


報道によると、近年ヒューストンではサイクリストが死亡する事故が多発している。しかし、現市長は自転車走行レーンを撤去するなど、交通安全のためのインフラ整備を怠っているという。今回のイベントは、交通インフラの整備を疎かにする行政への批判のメッセージでもあった。


交通安全を求めるという目的はともかく、その過激な表現方向から今回のイベントは賛否両論で様々な意見が飛び交っている。SNSにはイベント開催当時の動画がアップされているが、「公然わいせつにならないの?」「馬鹿げてる」といった批判の声も多い。


ただその一方で、ヒューストンの道路事情の悪さを指摘するコメントもあり、交通事故の多さを嘆く声もあった。今回のイベントが交通安全という大きな社会問題の提起に一役買ったのは間違いなさそうだ。


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裸で自転車に乗る参加者たち。

裸で自転車に乗る参加者たち。