日本ならではの6種類のボタニカルが、1日の終わりを優しい香りで包み込む【プロの自腹酒 vol.35】

  • 文:山内聖子
  • 写真:榊 水麗
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サントリー/ジャパニーズクラフトジン ロク

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ジンの基本原料であるジュニパーベリーのほか、桜花、桜葉、煎茶、玉露、柚子、山椒など日本の伝統的なボタニカルを6種類使用。それ以外にも、コリアンダーシードやシナモンなどさまざまなスパイスを用い、ボタニカルごとの特徴に合わせて蒸溜した原料酒をブレンド。重層的な味わいを生み出している。ストレートやロック、ソーダまたはトニック割りなど、飲み方の自由度が高いところも魅力。700mL ¥4,400/サントリーお客様センター TEL:0120-139-310 

「私は自称“雑酒”。無類の酒好きなんです」

そう気さくに笑うのは、1935(昭和10)年に創業した老舗寿司店「銀座 久兵衛」の3代目である今田景久さん。高校時代から積極的に家業を手伝い、「お客様に喜んでもらえる実家の仕事が楽しかった」と3代目を継いだ現在まで、寿司一筋の多忙な毎日を送っているが、日々の晩酌は欠かさない。休肝日はほとんどないという。

そんな今田さんは“雑酒”だけあり、あらゆるジャンルの酒を嗜むが、最近お気に入りだと教えてくれたのが、サントリーが開発したジャパニーズクラフトジン、ロクだ。

「さまざまなボタニカルを使っただけあり、とにかく香りがいい。しかも派手な目立つ香りではなく、ナチュラルなのが気に入っています。飲み方はロックが多いですね。この酒の香りが引き立ち、後味がより爽快になります」

また、ジンというと食前酒または食後酒として飲むイメージが強いが、クは食中酒としても万能。やはりロックで飲むのがお薦めだとか。

「特に、シンプルに塩胡椒で味付けした肉が相性抜群です。肉の味わいとボタニカルな香りもぴったりで、このジンは適度に肉の脂を洗って口をさっぱりさせてくれる効果もあります」

さらに魚料理にも合うというロクは、「銀座久兵衛」でも人気の一本だ。

「この酒は海外のジンよりも飲み口が優しくやわらかいタッチなので、柚子を利かせた刺身や、山椒風味の焼き物など和食との親和性が高いのも魅力です。海外のお客様にも好評ですよ」

しかしながら、やはりロクをいちばん愛飲するのは「自分」だとうれしそうに笑う今田さん。

「アロマオイルに癒やされるように、このジンの香りを嗅ぐだけで心が和みますね。仕事が終わってホッとひと息つく時にぴったりです。想像しただけで今夜の晩酌が待ち遠しいです」

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ごくシンプルな料理が複雑な酒を引き立てる

香り豊かで複雑な味わいのロクには、塩胡椒をしただけのシンプルな肉が合う。特にお薦めは質のよい牛肉。酒の風味に肉の脂が重なると相乗効果でさらに互いが美味くなる。

今田景久

1974年、東京都生まれ。北大路魯山人や吉田茂をはじめ数々の著名人が贔屓にする銀座の老舗寿司店「銀座 久兵衛」の3代目。江戸前寿司の真髄を受け継ぎ、日々カウンターに立つ。

銀座 久兵衛

住所:東京都中央区銀座8-7-6
TEL:03-3571-6523

※この記事はPen 2025年10月号より再編集した記事です。