“世界最高”のチーズのひとつは、ポルトガルの山岳地帯にあり

  • 写真&文:乾 祐綺
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LISBON リスボン/ポルトガル

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ソフトタイプのセーラ・ダ・エストレラのチーズ。ポルトガル最古のチーズで、ローマ時代に起源があるとも言われている。味はとても濃厚で、チーズ好きにはたまらない一品だ。スプーンですくって食べる。

ポルトガル本土最高峰、標高約2000mの山地、セーラ・ダ・エストレラ。当地特産のチーズが、2024年のワールドチーズアワードで“世界一のチーズ”の仲間入りをした。世界47カ国、約5000のチーズの中で、「キンタ・ド・ポマール(Quinta do Pomar)」というメーカーが手掛けたやわらかい羊乳チーズが最上位の賞を受賞したのだ。もともと当地には多くのチーズ生産者がいるが、いずれも小さな工房のため、これまであまり国外には出回らなかった。搾乳は冬から春の時期で、夏に「若熟成」から「セミハード」へと変化する。近隣のイタリアやフランスに勝るとも劣らない、知られざるチーズ大国・ポルトガル。機会があれば、ぜひ試してみてほしい。

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セーラ・ダ・エストレラの山頂にある土産物店。さまざまな種類のチーズが並んでいる。

※この記事はPen 2025年10月号より再編集した記事です。