
アルファ ロメオひさびさの新型車となるコンパクトSUVが「ジュニア」だ。「ジュリエッタ」や「ミト」といったラインアップの後継なのはもちろん、当世いちばん人気の車型であるSUVなのもミソ。パワートレインもハイブリッドとEVの二段構えで抜かりなし。そう、もう気合が違うんだ(笑)

これまでのアルファ ロメオと決定的に違うのは、デザインの文法に他ならない。前から後ろまで息つく間もなくデザインの意匠を注ぎまくっているのね。フロントに盾形グリルは健在で、大きくアルファ ロメオのロゴをあしらっている。
そしてボンネットを取り囲む強いエッジが、名前の由来になっている「GT1300ジュニア」を思い出させる。大胆にも、不朽の名作である「ジュリアTZ」のリアエンド、“コーダ・トロンカ”(尾を切り落とす)さえ引用しているんだな。 ---fadeinPager---

このレガシーを現代に甦らせた、大ナタの振りっぷりは見事で、それもそのはず、デザイナーは気鋭のアレハンドロ・メソネロ=ロマノス。アルファ ロメオでの最初の仕事で、限定仕様のスーパーカーである「33 ストラダーレ」を現代に生まれ変わらせた人物だ。
結果的にブランドで選ぶオーナーには嬉しい、過去イチ所有感を満たせるコンパクトカーになった。いたるところに刻印された“ビショーネ(ヘビの紋章)”が、アルファオーナーであることを意識させてくれるのね。

ある意味、わざわざITALIAのレタリングを入れたオリンピック公式スーツぐらいのわかりやすさなんだけど、このパンチの効かせ方がほんと大事。そりゃ先輩。BセグメントのSUVだからこそ、パンチが効いてないと「フィアット」と見分けがつかないですよ、みたいな意見があったのかも(笑)
車台はステランティスの共有プラットフォームで、ドライブトレーンは1.2Lの直列3気筒ターボのハイブリッド。この心臓がめちゃくちゃラテンのノリでよかった。出だしから前のめりで、低速はターボをしっかり使って軽快にまわるし、重心が低くはないものの、小まわりが利いていてコーナリングではぎゅんぎゅん曲がる。もうイケてるシティコミューターとして満点の出来ですよ。

この陽性のドライバビリティで毎日の足に使える感じは、いわゆるイタフラのラテンブランドを多く抱えるステランティスならでは。色気もあるし、看板に偽りなしのスポーツ性能も兼ね備えている。そして何より「ジュニア」という名前がいいんだな。
愛称が名前だから、家族の中にすっと入ってくるでしょ。「ジュニア」という言葉の響きは、やっぱりどこか特別なんだ。長男、次男といった序列でもないし、ミニでもベビーでもない。あえていえば末っ子っぽい。
家族のなかに自然と居場所を得て、愛され、時に見守られ、時に主役にもなる。そんな“家族の一員”としてのポジションが見えるんだ。

たとえば、『アイアンマン』でお馴染みのロバート・ダウニー・ジュニアに思いを巡らせよう。ヒーロー俳優としての栄光もあるけれど、彼が愛されている理由は、生粋の映画人だった父親ロバート・ダウニー・シニアへのリスペクトや、家族との時間を大切にする家庭人の姿にあるはず。ジュニアと呼ばれ、その名を冠しながら、自分らしさで自分の道を切り拓いていく。
アルファ ロメオの「ジュニア」もまた、日常の足として、思わず鍵に手を伸ばしてしまうような、使い勝手以上の親しみがある。つまりこれは、アルファ ロメオが贈る“貴方の家族のジュニア”。走らせるたびに、毎日をエネルギッシュに明るく彩ってくれる「ジュニア」。そして、忙しない日々のどこかでふと気づく。「ああ、うちに帰れば『ジュニア』がいるなあ」みたいなね(笑)
アルファ ロメオ ジュニア イブリダ プレミアム
全長×全幅×全高:4,195 × 1,780 × 1,585mm
排気量:1,199cc
エンジン:直列3気筒ターボ(VGT)+48Vマイルドハイブリッドモーター
システム最高出力:145ps
システム最大トルク:230Nm
駆動方式:FF(フロントエレンジン前輪駆動)
車両価格:¥4,680,000
問い合わせ先/アルファ コンタクト
TEL:0120-779-159
www.alfaromeo-jp.com