450年の香りの老舗と「冩樂」の名蔵が初タッグ。3種酵母で醸すフレグランス日本酒「暁霞」が発売

  • 文:倉持佑次
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香りの老舗・日本香堂と、人気銘柄「冩樂(写楽)」で知られる福島・会津若松の宮泉銘醸が初めて手を組んだ。その結果生まれたのが、まるでフレグランスのような香りの移ろいを楽しめる純米吟醸酒「暁霞(あきがすみ) -AKIGASUMI-」だ。9月15日から数量限定で発売される。

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福島県が開発した酒米「福乃香」と、新潟を代表する酒米「五百万石」を組み合わせ、さらに3種の酵母(F7-01、1801、煌酵母)を1つのタンクで同時に使用するという前例のない醸造法で生まれた純米吟醸酒。「福乃香」の柔らかな旨味と「五百万石」のキレが調和し、メロンや青リンゴを思わせる爽やかな香りに、バナナのような甘い香りが重層的に広がる。時間とともに香りが移ろうフレグランスのような体験が楽しめるのが特徴で、幅広い料理に合わせられる。よく冷やして香りの変化を味わいたい。「暁霞 - AKIGASUMI -」 720ml ¥6,600

この日本酒の最大の特徴は、3種の酵母(F7-01、1801、煌酵母)を1つのタンクで同時に使用する、他に類を見ない醸造手法にある。宮泉銘醸で「會津宮泉」の醸造を手掛ける宮森大和専務は「3種類の酵母を使うのは、うちの酒蔵としては初めて。他の蔵でもあまりやっていないのでは」と語る。

このような挑戦的な手法を採用した理由は、香りの複雑性を追求するためだ。発酵スピードの異なる酵母を丁寧に調和させることで、トップノートからミドル、ラストノートまで、時間とともに変化する香りの層を実現している。さらに原料米には福島県産の「福乃香」と「五百万石」を使い分け、透明感のある旨味とキレのバランスも追求したという。

宮泉銘醸では、システムエンジニア出身の社長と専務が毎日数値を測定し、データと官能評価の二段階で品質を管理している。「体調によって味の感じ方は変わるので、まず数値で状況を把握してから味を見る」と宮森氏は説明する。

今回のコラボでは構想期間だけで1年以上を要した。日本香堂の小仲正克社長らと酒を酌み交わしながら、「こういう香りがいい」という理想を形にしていく過程は、通常の酒造りとはまったく異なるアプローチだったという。

商品名の「暁霞」は、春の夜明けに山々にかかる霞の情景から名付けられた。透明感と複雑さを併せ持つその世界観は、クリアボトルのデザインにも反映されている。ラベルには使用した2種の米と3種の酵母が明記され、飲む前からイメージを膨らませる工夫が凝らされた。

香りは華やかさを過度に誇張せず、上品で奥ゆかしい立ち上がり。温度や時間によって次々と現れる香りの要素を楽しめるよう設計されている。お通しから刺身、揚げ物、蕎麦まで幅広い料理との相性も確認されており、食中酒としての完成度も高い。

酒蔵から直送されるフレッシュな生酒は、8月4日から「銀座らん月」と「唎き酒処 酒の穴」で1合1650円で提供されている。ボトル商品(720ml)は9月15日から同店舗のオンラインショップで300本限定販売予定だ。

450年の歴史を持つ香りの専門家と、革新的な酒造りを続ける名蔵の初コラボレーション。その成果を、ぜひ五感で味わってみたい。

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日本香堂が展開するお香「羅國 暁霞」(30g)。今回の日本酒コラボのベースとなった香りの世界観が、沈香を主体とした上品なお香で表現されている。¥20,900
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福島県会津若松市に構える宮泉銘醸の蔵元。

銀座らん月

TEL:03-3567-1021
www.ginza-rangetsu.com