お洒落でハイクオリティな服を安く買う、新ライフハック6選

  • 写真・文・編集:一史
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「服をコスパよく入手したい。ただし大人の洒落心と個性も忘れずに」。そんな人に役立つファッションの買い物テクニックがある。上質なワードローブを値ごろに揃える6つの方法。

1.ショップのセールは6月、12月の先行時期を狙う

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セレクトショップの参考イメージ写真。

夏セールが始まる7月、冬セールの1月の前月に、ひっそりと店頭に並ぶ値引きアイテムがある。主にセレクトショップでの展開で型数もごくわずかだが、シーズンアイテムを値ごろに入手できる。対象商品は店がそのシーズンで売り切りたいもの。割引率は10〜30%が主流のようだ。翌年に販売しにくい海外ブランドの仕入れ品や、シューズ、バッグなどのアクセサリー類が主なアイテム。春夏シーズンなら狙い目はアウター類である。6月に入ると暑くてアウターを新規購入する人が減る。そのタイミングで値引きされる。夏が過ぎた秋と、翌年の春のワードローブ計画に組み入れて買っておこう。

2.アウトレット商品はネットで探す

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アウトレットモールの参考イメージ写真。

一部のブランドや大手セレクトショップは、ECストアに「アウトレット」のコーナーを設けている。店舗ごとに商品が振り分けられる実店舗のアウトレットストアと比べ、いつでも在庫ストックを眺められて便利だ。ジャンルやブランドで絞れたり、価格順、値引き率順などで並び替えできるサイトが増え検索しやすくなった。
アウトレット商品はサイズや色が限定されるが、その特性を逆手に取るのも楽しい。例えばシャツが大きすぎるなら「Tシャツの上にアウターとして羽織ろう」、Tシャツが小さいなら「身体にフィットさせてチラ見せインナーにしよう」などと発想転換する。リーズナブルな投資でいつもと違う着こなしに歩みを進められる。

3.新品同様のコンディションに驚く、ブランド古着店に通う

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リユースショップは海外客もよく訪れる人気店だ。

「着古しの汚れもの」という古着のイメージを覆すのがブランド古着である。新品と見間違うコンディションのアイテムがところ狭しと店に並んでいる(ただしシューズは汚れが目立つものが多い)。タグで「A」「B」「C」などとランク付けされる。A以上はほぼ新品を指す。Bでも生地が軽く毛羽立っている程度で襟汚れもシミもなく、大人がそのまま着て問題ないものが多い。ブランド古着のランクづけは、一般的な古着(ビンテージ、レギュラー)とは別ものと考えていいだろう。一般古着だとBランクになるとダメージが大きくボロいのが普通である。とはいえブランド古着も古着には変わりない。自身の目でしっかり確かめよう。

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リユースショップは若い世代が普通にワードローブを揃える場になっている。

名が知られた大手チェーンだと「バズストア」「セカンドストリート」「トレファクスタイル」など。彼らに共通するのは高級な宝飾品やバッグよりも、国内外のモードやスポーツのような身近な服装に力を入れていること。価格は定価の70%引きがひとつの目安。10万円のコートなら3万円前後で手に入る。実力があっても一般人気が低いブランドだとさらに爆安になるから、ファッションに詳しい人ほどいい買い物ができる。若い世代が着ないテーラードジャケットも値引き率が高く大人は狙いめだ。

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東京・下北沢にはベイクルーズグループの社員が持ち寄った古着を売るコンセプチュアルなリユースショップがある。

ブランド古着はECサイトでも購入できる。ただし着たときのシルエットには要注意。コンディション良好の人気ブランドの値引き率が高いときは10〜15年前のデザインと考えよう。メンズウェアが劇的に細かった時代だ。ゆったりシルエットが主流の現在では古く見える服である。とはいえ新しいファッションシーンでは全身オーバーサイズの流行が終わり、トップスをコンパクトにする装いに勢いがある。シャツやアウターなら古い服も活用できるかもしれない。ただしパンツは裾幅の広いワイドの人気がまだ続きそうだ。昔のスリムで股上が浅いパンツを購入するときは慎重になろう。

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4.海外ECサイトを利用する

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FARFETCHの2025年8月現在のサイトキャプチャ。

ハイブランドやデザイン力の高いアイテムがほしいなら、海外のブランドECサイトを利用しよう。世界中の人気ファッションがずらりと揃っている。パリやミラノでショーを行うブランドはもちろん、日本ブランドも多数扱っている。
海外ECサイトで規模が大きいのは、FARFETCHI(イギリス)、SSENSE(カナダ)、YOOX(イタリア)など。このうちYOOXはアウトレットショップだ。どれも本物のブランドを扱う信頼性が高い店とされている。多くの商品が日本での販売価格より低く、オンシーズンのアイテムをお得に入手できる。ただ日本ブランドだと通常価格が国内より高く、セール対象で割引されてもメリットが薄いケースもあるからご注意を。

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この記事制作者が、かつて海外ECサイトでセール購入したミニバッグ2点。

上記の3店舗はすべて日本語対応で、価格も関税込みの円表記で買い物しやすい。送料は2025年8月現在のFARFETCHIで、「28,000円以上の購入で1,500円(スタンダード便)、28,000円未満では2,700円(スタンダード便)」。届くまでの所有日数は、「通常5〜9営業日以内(スタンダード便)」。より早く手にしたい人は価格が上がるエクスプレス便も利用できる。
狙い目は日本では好きな人が多いのに世界ではそうでもないアイテム。大人気のコラボスニーカーが安く売られていることもある。特にセール時期は値引き率が高いから、宝探しの気分で見てみよう。

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こちらのスニーカー2足も海外ECサイトで格安購入した私物。OAMCとアディダスとのコラボシューズだ。

5.1週間限定でブランドが変わるセールECサイトをブックマーク

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GILTの25年8月現在のサイトキャプチャ。

高品位な個性派アウトレットモール、GILTとGLADD。在庫を処分したいアパレルメーカーと提携して、約1週間の期間限定でブランドを入れ替えて常設セールしているサイトだ。対象ブランドは複数が同時進行しており、GILTのメンズならアクセスすると常に30前後のブランドを閲覧できる。
GILTはモードからドレスウェアまでのラグジュアリーブランドを、GLADDは有名セレクトショップなどの身近なものが対象。GILTは約7割ほどの値引きが多く、GLADDは商品によりさまざまだ。 ともに運営会社が同じで、App Store、Google Playから専用アプリをダウンロードできる。商品の到着日は商品によりバラつきがあり、すぐ発送されるものと数週間近く掛かるものがある(各商品ページに目安が記載されている)。
とくに大人世代にフィットするのがGILTで、サイトのレイアウトと写真がとても見やすい。目が泳がずに1点1点をしっかりと眺められる。各参加ブランドの商品数が限られることが功を奏しているようだ。服を探すのに疲れてしまう人こそ、より有効に活用できるかもしれない。

6.株主優待特典を使う

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株主優待で値引きのクーポンコードが配布されることがある。

応援しているアパレル企業があるなら株主になる手がある。展開ブランドの優待割引券が配布されたり、ファミリーセール(関係者向け特別セール)の案内が来る。ワールド、オンワードホールディングス、TSIホールディングス、ユナイテッドアローズ、アダストリア、ゴールドウインらの大手企業が株主に特典を与えている。オンライン購入のクーポンを使えば、そのシーズンの品を店に足を運ばず安く買える。割引率は平均して10〜20%前後ではあるものの、消費税+α分が浮くと思えば買い物気分が楽になる。

終わりに

値ごろに服を手に入れる今回のライフハック記事はいかがだっただろうか。よく知る情報ばかりの人でも、役立ったところがあれば幸いだ。
ここ数年で円安や材料費高騰などの影響を受け、国内外の服の価格が爆上がりしている。日本ブランドでも以前ほど購入しやすいものではなくなった。これからの大人は高価でもしっかり買うものと、身近に済ませるものとを混ぜてワードローブを整えていくのがいいと思う。
なおブランド古着についてひとつ補足を。店内にはあらゆるジャンルのアイテムが散在している。気持ちが馴染めないときもあるだろう。その場合は別の街にある同じ店に行ってみよう。印象が異なり好きになれることがある。
リユースショップはいい服を遠慮なく試着できる場でもある。店員の不必要な接客もなく気分が楽だ。上手く活用すればファッションの幅を広げるのに役立ってくれる。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。