金髪美女がジーンズのファスナーを上げるCMが大炎上…その“セリフ”とは？

  • 文：千歳香奈子
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Shutterstock ※画像はイメージです

女優シドニー・スウィーニーが、発音が同じ「jeans（ジーンズ）」と「genes（ジーンズ＝遺伝子）」を言葉遊びにした「シドニー・スウィーニーは素晴らしいジーンズ（遺伝子）を持っている」のキャッチコピーでジーンズを宣伝する米カジュアルアパレルブランド「アメリカン・イーグル（AE）」のキャンペーンに出演して物議を醸している。

過剰な性的表現から白人至上主義的で優生学を推進しているとの批判まで、様々な論争を巻き起こし、トランプ米大統領までが参戦する騒動に発展している。

「優良遺伝子」発言が炎上

問題となったのは複数あるバージョンの一つで、デニムのシャツとボトムを纏ったシドニーが寝そべりながら、「遺伝子は親から子へと受け継がれ、髪の色や性格、目の色さえ決める」と語り、ジーンズのファスナーをあげるセクシーな動画。カメラが金髪で白い肌、青い目を持つシドニーの体を下から上へなめるように動き、顔がクローズアップされると「私のジーンズは青」とカメラ目線で締めくくるものだ。

この動画が公開されるや否や、「不快」「人種差別的なニューアンスを感じる」「白人至上主義的だ」「AEのジーンズはもう買わない」などと批判が殺到。奇しくもトランプ政権による多様性の否定や厳格な移民政策によってアメリカ社会で分断が深まる中、「シドニー・スウィーニーのジーンズは素晴らしい」というフレーズが画面に映し出される広告は、シドニーのような金髪で青い目の若くて美しい白人が「優れた遺伝子を持つ」と一部で受け止められ、「白人至上主義的なイデオロギーに根ざしている」と激しい論争を巻き起こすこととなった。

批判はそれに留まらず、シドニーのグラマラスなボディもその対象となった。最も物議を醸したのは胸の谷間にカメラがズームインするシーンから始まり、「私の体型は遺伝子で決まる」と誘惑的な声で囁くロングバージョンで、シドニーの豊満な胸に視線が釘付けとなるユーザーも多かった。男性からは「完璧でホットなブロンド」などと称賛の声が上がった一方、「男性用ジーンズではなく、女性用ジーンズを売るための広告だと彼女も知っているはず」「フェミニズムを後退させたとして、火あぶりにされるべき」などと女性からは不評を買った。

批判を受けてAEは問題の動画を公式SNSアカウントから削除し、「このキャッチコピーは今も昔もジーンズに関するもの」と声明を発表。「自分らしく自信をもってAEのジーンズを着こなすすべての人を称えていく」とコメントしている。

トランプ大統領は「気に入った」と大絶賛

右翼の政治家やメディアが「狂った左派が美しい女性に反撃を始めた」「民主党へのアドバイスは、シドニー・スウィーニーが魅力的だと考える人は皆、ナチスだと言い続けること」などと話して政治的論争へと発展させる中、トランプ大統領も自身のSNSで「最もホットな広告」「ジーンズは飛ぶように売れている。がんばれ、シドニー！」と投稿。共和党員であると伝えられるシドニーの広告を気に入ったと援護し、AEの株価を一時24%も急騰させた。

極右団体プラウド・ボーイズは、ロサンゼルス郊外の高速道路に設置された車の看板広告を乗っ取り、「プラウド・ボーイはシドニー・スウィーニーを愛している。彼女は最高の青い遺伝子を持っている」と書かれたバナーを掲げ、シドニーの優良遺伝子を称賛した。

性的表現や男性目線の画一的な女性らしいイメージを巧みに利用する広告は「時代遅れ」だと非難する声もあるが、シドニーは意図せずして政治的・文化的な論争へと巻き込まれ、騒動は収まる気配が見えない状況となっている。

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物議を醸して削除された「優良遺伝子」動画

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AEの広告でセクシーなポーズを取るシドニー・スウィーニー

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