
旅で過ごす時間は、ルーティーンで暮らす毎日を切り離して異空間に迷い込ませる冒険。そこでは5感が研ぎ澄まされ、深く吸い込んだ空気と情景が心に刻み込まれる。この夏に日本に本格上陸したフランスのローラ ジェームス ハーパーは、こうした旅のエッセンスに満ちたフレグランスを展開するライフスタイルブランド。人気が高いアイテムはルームスプレーだ。部屋にシュッと振りまくと、世界各地のユニークな光景が広がる。
香りのストーリーを描く人物は2013年に同ブランドを創業したラミ・メックダチ。フォトグラファー、ミュージシャン、映画監督の彼が旅や生活で出会った記憶を製品化している。私たちがそれを使うとき、自身の記憶も混ざり合い香りはパーソナルなものへと姿を変えていく。

メックダチの着想源は誰もが親しめる身近なもの。 例えば製品の「11 ザ コーヒーショップ オブ ジェーピー」は、彼がよく行くコーヒーショップの香り。「(パリの)マーチンルーサーキング公園でバスケットボールをした後に決まって立ち寄る、ジェーピーが営むコーヒーショップ」を表現したものだ。香りの主成分はサンダルウッド、コーヒー、スパイス。コーヒーも含まれているが香りの全体像はあくまでもイメージの世界である。
コーヒーの名がつく香りには「5 ザ ホワイトコーヒー オン テタ バルコニー」もある。ホワイトコーヒーとは、オレンジの花から採れるオレンジブロッサムウォーターで作られたドリンクのこと。コーヒー豆は使われていない。メックダチの友人であるテタの家で振る舞われるドリンクと、バルコニーのある家の光景が着想源になった。主成分はオレンジブロッサム、ハニー。
ほかにも、移動遊園地、ロンドンの楽器店、ニューヨークのコミックストア、ガリエラモード美術館、パリの惣菜店、海辺のサーフショップ、古い図書館のような友人の家などのユニークな場所が香りになっている。

ローラ ジェームス ハーパーの創設のきっかけは、パリの伝説的なファッションセレクトショップのコレット用に作った香りだった。これは現在も「213 リュ サントノーレ エアー」の名で、コレットの住所であるサントノーレ通りの名を冠した製品になっている。
25年の今年は韓国ボーイズグループのSEVENTEENジョシュアともコラボレーション。ロサンゼルス生まれのジョシュアと、この地を好むメックダチとは共通する感性があったようだ。
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香りがすっと消えていき、いつでも気分転換に使いやすいローラ ジェームス ハーパー。いま東京各地でポップアップショップが開催中である。伊勢丹新宿店/8月13日(水)~19日(火)、六本木 蔦屋書店/8月21日(木)~31日(日)、銀座 蔦屋書店/9月17日(水)~9月30日(火)。東京都現代美術館 NADiff/8月23日(土)〜11月24日(月)は期間が長い。まだ実店舗がないブランドだからこそ、ポップアップショップは多くの香りに触れられる貴重なチャンスだ。皆さんもお近くのイベントでぜひトライを!


ファッションレポーター/フォトグラファー
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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