“裂織”から現代アートまで、青森・南部地方を堪能する5つのスポット

  • 写真・文:鈴木修司
Share:

ビームスジャパンの鈴木修司です。今月の旅の舞台は、青森県の十和田と八戸です。こちらの連載で3回目の登場となる青森県ですが、複数の文化圏から成り、そもそも面積は広大で形状は複雑、まだまだ紹介し切れていません。

1.北国の手仕事を伝える「南部裂織の里」

IMG_4295.jpg

かつて“南部”と呼ばれた地方ですが、この中だけでも見るべき場所が多いです。まず向かったのは、“道の駅とわだ”に併設された“南部裂織の里”です。この地方に古くから伝わる南部裂織ですが、まさに北国の手仕事です。使い古した着物を細く裂き、それを横糸として丁寧に織り込んでいく、それは手の込んだものです。厳しい寒さを凌ぐため、遠方から届いた物資をできる限りに有効に使うため、必要から生まれた、なんとも愛らしいものです。ここでは、技術継承のために集まった方々が織ったものを購入できるだけでなく、織りなどの作業体験、本格的に仕事を習うこともでき、とても大切なところです。

2.「十和田」で絶品の馬肉と現代アートに出合う

IMG_4305.jpg

次に向かったのは、十和田市内の“十和田市現代美術館”です。意外に知られていないかもですが、青森県は美術館や博物館、そして縄文時代の史跡など、文化施設がかなり充実しています。ここの特徴といえば、美術館の中だけに収まらず、周辺の公園などにアート作品が飛び出していることでしょうか。美術館を見終わった後に街を散策すると、奇妙な感覚に陥ってしまいます。

IMG_4324.jpg
IMG_4316.jpg

 そして、その感覚を持ったままに、近くの馬肉専門店(ミートプラザ尾形)へ向かいます。南部裂織の作り手に紹介してもらったのですが、かなりタイプのお店です。そもそも”馬“の一大産地である南部地方なので当たり前ですが、馬肉のレベルの高いこと。新鮮極まりない”馬刺“から、しっかりとした歯応えと味わいの桜鍋まで、絶品でした。アートと馬肉、変な組合せですが、ぜひオススメです。 

IMG_4298.jpg
IMG_4300.jpg

3.港町八戸を「八食センター」と「南部もぐり」で味わいつくす

そして、南部地方の中心である八戸へ。着いた頃は夕方でしたが、”八食センター“へ滑り込みます。本来であれば午前中が良いと思うのですが、やはりこの時間帯だと少し落ち着いています。地元の海と山の幸、地酒から様々な産品まで集まった魅力的な場所です。飲食店も充実なので、八戸でどこに行くか迷ったら、まずは訪れてみてください。 

IMG_4329.jpg

八戸は日本海屈指の港町なので、夜がまた楽しいのです。目当ての居酒屋さんがいくつかあって悩みましたが、以前に知人に連れられたお店”南部もぐり“さんに伺いました。前回は寒い頃だったので、名物の”ホヤ酒蒸し“を頂いた良い記憶があり、この季節ならと”生ホヤ“を試してみました。地酒”八仙“との相性が抜群で、しみじみと感動していました。やはり、青森の食と酒のレベルも高いです。

IMG_4341.jpg

 

IMG_4347.jpg

 

4.知られざる名湯、三沢の「元湯」へ

翌日は、用があって三沢へ。自衛隊などの航空施設が広大にあることで知られた街ですが、私が向かったのは入浴施設の”元湯“へ。人から聞いていた通りの名湯で、毎日入りたくなるようなクセのない湯でした。ちなみに、”酸ヶ湯“、”浅虫“、“不老不死”、“大鰐”などなど、青森県も名湯揃いです。

IMG_4351.jpg

5.〆のランチは、自衛隊近くの「赤のれん」でバラ焼きを

最後になりますが、温泉後のランチは自衛隊基地のほど近くにある“赤のれん”さんへ。三沢名物である“バラ焼”の発祥の店として知られていますが、味も雰囲気も渋いです。前日の“馬”に続き”牛“でしたが、またまた南部らしい味を堪能できて大満足です。 

IMG_4362.jpg

 ざっと以上で南部地方の旅となりましたが、まだまだ語り切れていないので、いずれまた青森についてお話させてください。

BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター鈴木修司が日本の魅力を紹介! 

連載記事一覧

鈴木修司

BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター

1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。

鈴木修司

BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター

1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。