漫画家の“もっと描きたい!”を叶える、AIの漫画アシスタントサービス「THE PEN」が始動

  • 文:Pen編集部
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日本の漫画コンテンツは、世界シェアのおよそ45%。日本が誇る文化であり、質量ともに世界一だが、その圧倒的な表現力の裏には、過酷な制作環境と、体力・時間・資金といった制約がある。

そんな現状を変えるべく、写真素材販売の「アマナイメージズ」などを手掛けるビジュアルバンクは、コルク代表・佐渡島庸平、THE GUILD代表・深津貴之とともに、新会社「THE PEN」を設立。漫画家の創作を支援するためのAI補助ツールを提供するサービスを開始した。 

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左から、ビジュアルバンク取締役の飯塚文貴、THE GUILD代表の深津貴之、コルク代表の佐渡島庸平、ビジュアルバンク代表の永井真之。

無断利用や倫理面で物議を醸す既存AIツールとは一線を画し、クリエイターと対話を重ねながら、信頼できる環境と品質を重視した設計が特徴。

漫画家本人の許可、協力を経て、作画した本人の癖や作風などを漫画家ごとにデータベース化し、高度なAIファインチューニング技術を持って、作画支援をする。ある漫画家の事例では、執筆時間が6分の1に短縮されたという。

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漫画家の直筆キャラクターデザインの原画5点をもとにデータベース化。ネームといわれる下書きの画像をAIに読み込ませる ©水野ジュンイチロ 

 

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上のイラストが、下のイラストに自動生成される。自社開発されたオリジナルツールが入った、オリジナルフローにより高品質なAI作画が可能に。 ©水野ジュンイチロ

代表取締役を務める永井真之は、海外で日本漫画の価値を再認識し、帰国後に目の当たりにした制作現場の過酷さに衝撃を受けたという。「漫画家の体力や時間の制約を取り払い、より洗練された環境を整えたい」との想いから、思考と検証を重ね、THE PENの構想にいたった。

共同創業者である佐渡島は「漫画家を羽ばたかせるための道具」と表現し、深津は「まだ見ぬ未来に備えるための挑戦」と語る。

世界に誇る日本の漫画文化。それを支え続けてきたクリエイターたちの強力なサポートが出現したことで、今後新たな展開も期待できるかもしれない。

THE PEN
www.thepen.co.jp