
イギリス・ノーサンプトンの街中で全身が鮮やかな緑色に染まったハトが目撃され、地元住民や観光客のあいだでちょっとした騒ぎになっている。「まるで映画から飛び出してきたよう」「放射能でも浴びたのか?」などの声があがり、SNSでも“リアルポケモン”として拡散中だ。
発見されたのは、ノーサンプトン中心部にあるオール・セインツ教会付近。日常的にハトの多いエリアだが、突然出現した鮮やかなグリーンのハトに、住民たちは釘付けとなった。
偶然、その姿を撮影したロビン・ヒンコットさんは「パートナーとポケモンGOをしていたときに、視界に信じられない色のハトが入ってきた。見間違いかと思って二度見した」と語り、「動画をTikTokに投稿したらあっという間にバズった。こんなことになるとは」と驚きを隠せない様子だった。
一部では「町のマスコットになりつつある」との声もあり、最近ではこのハトを目撃するために訪れる観光客まで出てきているという。
SNS上では、「ハルクの転生?」「新手のアート作品では?」といったジョークのほか、「ペンキでもかけられたのか」「誰かが意図的に染めたのでは」といった人為的な関与を疑う声も多い。一方で、「これはちょっとかわいそうでは?」という懸念もあり、TikTokやXなどでは、ユーモアだけでなく動物福祉の観点からも議論が広がっている。
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鳥類専門家は「染色の可能性が高い」と指摘
この珍しい“緑色のハト”について、イギリスのバードウォッチャーたちは冷静。専門誌『バードウォッチ・マガジン』のマイク・アリボーン氏は、「おそらく元々は白いハトで、意図的に染色されたのだろう。結婚式やジェンダーリビールなどのイベントで、ハトをカラフルに染めて放つ文化がある」と推測している。
特にスペインでは、オスにスプレーで色をつけ、特定のメスバトを追わせる伝統行事が存在しており、その文化がイギリスでも影響を与えた可能性もあると見ている。
こうしたSNSでの拡散に対し、動物福祉団体RSPCA(英国動物虐待防止協会)は強い懸念を示している。
「染料の成分によっては鳥の健康を脅かす可能性がある。飛行に支障が出たり、羽づくろいの際に誤って摂取すると中毒を起こすこともありうる」とし、「見た目の面白さを求めて命を危険にさらすべきではない」と警鐘を鳴らしている。
また、「こうした行為が“SNS映え”として模倣され、他の動物にも広がっていくことがもっとも懸念される」とも述べており、今後同様の例が増える可能性も指摘されている。
現在、この“緑のハト”は元気に市内を飛び回っており、他のハトと一緒にエサをついばむ姿も確認されている。「普通のハトよりちょっと目立つけど、動きは問題なさそう」と語る住民もいる一方で、「このまま野生で生きていけるのか心配」といった声も上がっている。
SNS上では現在も動画や写真が投稿され続けており、「次は何色が現れるのか」といった“第二のカラフルハト”の登場を期待するコメントまで見られるようになっている。
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