【Penが選んだ、今月の音楽】響きで刻む伊福部美学、決定盤が示す名曲の真価『伊福部昭の芸術13 易』

  • 文:小室敬幸(音楽ライター)
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【Penが選んだ、今月の音楽】
『伊福部昭の芸術13 易』

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広上淳一(指揮)、札幌交響楽団、外山啓介(pf.)、松田華音(pf.) キングレコード KICC-1629 ¥3,300

『ゴジラ』の作曲者として一般には有名な伊福部昭の実質的なピアノ協奏曲にあたるのが「リトミカ・オスティナータ」だ。近年は腕利きの若手ピアニストがライブで熱演を聴かせてくれる機会が増えたが、遂に決定盤が登場。実演では大音響に埋もれがちな音色の変化まで浮き彫りになったことで、日本を代表するピアノ協奏曲と呼ぶにふさわしい傑作であると示された。併録された2つのピアノ曲も教育用・初期作だからと侮れない。むしろ伊福部入門に相応しく、彼の音楽を理解するヒントに満ちている。

※この記事はPen 2025年8月号より再編集した記事です。