コスパ良し、ペアリングは無限大! スペインのスパークリングワイン「カバ」がますます日本で人気の理由

  • 文:久保寺潤子
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「国際CAVAデー」に合わせ、明治記念館でD.O.カバ主催のお披露目が行われた。

うだるような暑さが続く日本の夏。週末は冷えたスパークリングワインでゆっくりランチやディナーといきたい。そこでこの夏にお薦めしたいのが、スペインのスパークリングワイン「カバ」だ。夏を爽やかに彩るのにふさわしいと飲み物して、7月12日は「国際CAVAデー」に制定されている。

カバはシャンパーニュと同じく、瓶内二次発酵を経てつくられるスパークリングワインだ。発祥地はスペイン北東部のコムタッツ・デ・バルセロナと呼ばれる地域で、現在も約95パーセントのカバがこのエリアでつくられている。このほかにもスペイン有数のワイン産地であるリオハに近いバリェ・デル・エブロ、ポルトガル国境近くのビニェドス・デ・アルメンドラレッホ、バレンシア地方にあるレケナの4地域が、カバ原産地呼称統制委員会「D.O.カバ」に特定されている産地。歴史と伝統に基づいた製法で、厳格な管理や条件をクリアしたカバを選ぶなら、品質保証スタンプのある製品を目印に購入するのがポイントだ。

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原産地、カテゴリー、熟成期間を表す品質保証スタンプ。熟成期間も記されているので、選ぶ際のポイントになる。出典:D.O.CAVA

カバのカテゴリーは瓶内での熟成期間によって決まる。9カ月以上熟成したものがカバ・デ・グアルダ、その上のカバ・デ・グアルダ・スーペリオールはさらに3つに分類され、18ヶ月以上熟成のものをレセルバ、30ヶ月以上熟成のものをグラン・レセルバ、36カ月以上熟成のものをパラヘ・カリフィカードと呼ぶ。2022年からは、スペリオール以上のカバにオーガニックのブドウを使うことが義務化されており、25年のカバ・デ・グアルダ・スーペリオールは、この規制が承認されて以来初めての100%有機栽培で収穫されたヴィンテージとなる。

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レストラン「L’estudi(レ ストゥディ)」のオーナーシェフ、ジョセップ・バラオナ・ビジュスは、日本にピンチョスを広めた立役者。幅広い料理と相性のよいカバを、日常的に楽しんでほしいと語った。

きめ細やかな泡立ちとすっきりとした飲み口のカバは、無加糖の辛口ブルット・ナトゥーレから甘口のドゥルセまで味わいも幅広く、和食から洋食までさまざまな料理と合わせやすい。たとえばマグロやアジなど脂の乗った刺身にはしっかりとした辛口のRoger Goulartnat(エクストラブルット)、肉料理には端正な味わいのPago De Tharsys(ブルット・ナットゥーレ)など、料理を引き立てつつ華やかな余韻を楽しめるだろう。

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左から、シマアジ、マグロ、ハモ、サーモンの煮こごり。刺身の脂身をすっきりと引き立てるのは、しっかりとした辛口のRoger Goulart。長期熟成によるわずかな甘みが余韻に感じられる。
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クラシックなフレンチの定番・フィレ肉のパイ包み焼きにはPago de Tharsysをペアリング。シャルドネの単一品種でつくられたブルット・ナトゥーレは、繊細で柔らかい泡が心地よいクリーミーさを感じさせてくれる。

ヨーロッパではもちろん世界中で愛されているカバだが、輸出国において日本は世界第6位、アジア圏ではトップとなり、ますます人気が高まっている。地中海の太陽の恵みをたっぷり浴びたブドウからつくられるカバの世界を堪能してみてはいかがだろう。

D.O.CAVA

www.cava.wine/jp