これぞサステナブルの最適解! カミカツタップルームがリニューアルオープン、ウイスキー樽を使った熟成ビールも

  • 文:Pen編集部
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上勝の清流に育まれた幻の淡水魚アメゴをハーブでしっかりと焼き上げた「上勝アメゴのグリル ハニーマスタードソース」と上勝町の特産の椎茸をぜいたくに使用した「上勝椎茸とサルサヴェルデのバーガー」。それぞれのクラフトビールのペアリングを愉しみたい。

7月17日にリニューアルオープンした、東京・麻布の「KAMIKATZ TAPROOM(カミカツタップルーム)」 。日本初のゼロ・ウェイスト宣言を行った徳島県上勝町にある、2015年に誕生したクラフトビールブルワリー「RISE & WIN」の発信拠点として、翌16年に開業した同店。ブランド10周年となる今年、再スタートを切ることとなった。

“JUST DRINK KAMIKATZ BEER(=美味しいビールを飲むだけで、環境にちょっと良いコトに繋がっている)”をテーマに、多角的な視点で、より多くの人々がゼロ・ウェイストの取り組みに触れるきっかけづくりを目指す。

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店舗の内装は、上勝町本店のデザインコンセプト同様、中村拓志&NAP建築設計事務所が担当。ゼロ・ウェイストの理念を反映し廃材や再利用家具を活用した。

リニューアル後は、メニュー構成を一新。ゼロ・ウェイストの理念のもと、クラフトビール、そして徳島・四国の食材を中心に使用したイタリアンを楽しめるビアレストランとして生まれ変わる。

クラフトビールはこれまで通り「カミカツビール」をドラフトで提供。町の特産品や規格外の農作物を活用したスタンダードシリーズとシーズナルビール、あわせて8種類を展開する。

なかでも注目したいのは、不要となったウイスキー樽で寝かせ、香りや風味をプラスしたクラフトビール「ザ・バレル」シリーズが提供されること。特におすすめは現在提供中のシングルモルトで有名な鹿児島県の嘉之助蒸溜所のウイスキー樽で寝かせたもの。ビールファンもウイスキーラバーも垂涎の一杯だ。

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上勝町の特産品を使った「上勝椎茸とサルサヴェルデのバーガー」。厚さ想定3〜4cmの肉厚な椎茸にイタリア産ストラッチャテッラチーズを挟み、香ばしくカツレツじたてにしたバーガーは、野菜であることを忘れてしまうほどジューシーで食べ応え抜群だ。

フードメニューも見逃せない。手掛けたのは、上勝町のオーベルジュ「PERTORNARE(ペルトルナーレ)」のオーナーシェフ・表原平。彼がチョイスした、新鮮で旬な食材を活かしたイタリアン。慎ましやかなイメージがあるサステナブルな食材だが、そう思わせない綿密な工夫と趣向が凝らされている。

特に「reRise野菜」を主役にした料理は素晴らしい。ビールの醸造過程で生じる麦芽かすや、都内のビルで発生した生ごみを専用のコンポストで液肥化したものを、上勝町内や郊外の農地で利用。循環農業によってつくられた野菜だが、通常より甘みや豊かな風味を持つ。サステナブルの新たな可能性を感じさせる。

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“reRise野菜”として育てられた玉ねぎを丸ごとローストした「リライズ玉ねぎのロースト」。濃厚で凝縮された玉ねぎそのものの甘みに驚く。

このreRise野菜をはじめ、今後もフードロスを意識したレシピ開発やコンポストの導入など、これまで以上にゼロ・ウェイストへの取り組みを強化していくという。

「ファッション的な後付けのサステナブルでは間に合わない。意識せずともゼロ・ウェイストに繋がる仕組みを発信するのが使命」と語っていた代表の田中。ここに訪れたら、クラフトビールとグルメのペアリングが止まらなくなること請け合いだ。知らず知らずのうちにサステナブルな取り組みに一役買えそうだ。

KAMIKATZ TAPROOM

東京都港区東麻布1丁目4-2 THE WORKERS&CO 1階
www.kamikatz.jp/brewery/#lnk_taproom