
2008年のデビュー以来、ボルボのミッドサイズSUV「XC60」が累計販売台数270万台を突破し、同ブランドのアイコンとして知られる「240」を抜いて、史上最も売れたボルボ車となった。
XC60は安全性、上質なデザイン、信頼性を兼ね備えたオールラウンダーとして、世界中のファミリー層から長年にわたり支持されてきた。2018年には「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。初代モデルは欧州での生産に限られていたが、現在は中国の成都でも製造され、ボルボ初の本格的グローバルモデルとして展開されている。
現行モデルでは、プラグインハイブリッド(PHEV)車の販売比率を高め、2023年には欧州で最も売れたPHEVとなった。2026年モデルでは、エクステリアやインフォテインメントの刷新に加え、快適性や操作性の向上も図られている。
ボルボ240は1974年に登場し、1993年までに約268万台が生産。堅牢なボディ構造や世界初のチャイルドブースター・クッションの導入など、安全性において数々の革新をもたらした。XC60もまた、2008年に低速自動ブレーキ「シティセーフティ」を世界で初めて標準装備し、2017年には対向車線からの衝突回避支援技術を導入するなど、先進安全装備のパイオニア的存在として歩んできた。
いまやSUVがファミリーカーの主流となる中、XC60はその信頼性と安全技術によって、240に代わる“新たな家族の定番車”として確固たる地位を築いた。240と同様、XC60は今後も世代を超えて親しまれていくモデルとなるだろう。