問題視される美容インフルエンサーの低年齢化、少女たちが刺激の強いコスメを多用…アドバイスも「不適切」

  • 文:佐藤まきこ
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写真はイメージ(ShutterStock)

メイクやスキンケア商品を次から次に試しては、SNSに投稿する美容インフルエンサー。米国では、その低年齢化が進んでいるという。

7歳から18歳のインフルエンサーの投稿を解析したら…

いつも女性たちでにぎわう米国の化粧品小売大手「セフォラ」。その名前にちなんで生まれたのが“セフォラキッズ”という言葉だ。これは、ティーンやそれ以下の若年層で、メイクやスキンケア商品を試してSNSで紹介するコスメ好きのキッズのこと。簡単に言えば、美容インフルエンサーのキッズ版だ。フォロワー数が数百万人もいるアカウントも少なくない。だが、このような低年齢化している美容インフルエンサーが問題視されている。

ノースウェスタン大学の研究者は、13歳の設定でTikTokのダミーのアカウントをつくり、そこからセフォラキッズと呼ばれるようなキッズ美容インフルエンサーの動画100本を収集して解析した。その結果、動画を投稿していたのは7歳から18歳の少女たちで、彼女たちは平均6種類のスキンケア製品を使用。中にはそれ以上に多くの製品を使っている子もいたのだ。

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彼女たちのアドバイスは「不適切」とバッサリ

このキッズ美容インフルエンサーの台頭で懸念されるのは、正しい知識がないままに刺激の強い化粧品成分を複数回、顔に塗っていること。たとえば、ある投稿ではわずか6分の動画で10種類の異なる製品を顔に塗っているインフルエンサーがいたという。今回の解析で、視聴回数の多い動画の中で使われた製品には、平均で11種類の刺激性成分が含まれていたことが判明した。

少女の顔の皮膚が赤くなり炎症を起こしているように見えるものがあっても、本人は「これが私の肌。いまとても輝いていて最高! 試したものにアレルギー反応が出ただけなので、顔が赤くなっても気にしないで」と話している。だが、このようなスキンケア製品のアドバイスについても、研究者たちは「ほとんどメリットがない」と結論づけている。

つまり、この調査と解析を行った研究チームは、これらのキッズ美容インフルエンサーの投稿は「不適切なスキンケアアドバイスをしていて、実現できないような明るく輝く肌を美の基準として強調している」と問題視したのだ。

彼女たちのなかには、朝は午前4時30分に起きて、学校に行く前に念入りにスキンケアとメイクを行っている子もいるのだとか。大人だけではなく子どももSNSを使う時代だ。だが、その投稿によって、誤った知識が広がり、行き過ぎた美を追い求めるようになってしまう問題が起きているようだ。

 

【出典】
www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-14787891/TikTok-Children-skincare-harmful-allergies.html
www.tiktok.com/@garzacrew/video/7494739042219789614
www.tiktok.com/@pandkourt/video/7039159672103914757
www.tiktok.com/@garzacrew/video/7509983325105245486

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キッズインフルエンサーの投稿

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