バナナもお菓子もペロリ…野生の象が食料品店に突入し“爆食”行動が話題に

  • 文:吉井いつき
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Shutterstock ※画像はイメージです

タイの食料品店に野生の象が入り込み、お菓子やバナナなどを食べ散らかした揚げ句、鼻で袋をつかんで持ち去るという珍事が起きた。このときの動画は米CNNなど複数メディアに取り上げられ、話題となっている。

泥だらけの象が「来店」

タイの首都バンコクの北東にあるカオヤイ国立公園は、広大な森林が広がる世界自然遺産で、野生の象や虎が生息する場所として知られる。今年6月2日午後2時頃、カオヤイ国立公園近くの幹線道路沿いにある食料品店の前に、2頭の象が現れた。このあたりでは野生の象を見かけることはそれほど珍しくないが、象はおとなしく、人間や店を襲うようなことはないという。だがこの日はいつもとどこか様子が違っていた。2頭のうち1頭が店の中に入り込んできたのである。

そのときの様子が、居合わせた人によって撮影されている。泥だらけの大きな象は、お菓子の並べられた棚に向かうと、鼻で器用につかんでもぐもぐと食べ始めた。店主や国立公園の職員が「店から出て行け」と何度も怒鳴ったが、象は全く気にしていない様子で、むしゃむしゃとお菓子を食べ続けた。


店主によると、象はこの日の朝仕入れたばかりの甘いスナック菓子を9袋、サンドイッチを1袋、そして乾燥バナナやピーナッツなどを次々に平らげていったそうだ。やがて満足したのだろうか、象はようやく店から出て行ったが、鼻先にはちゃっかりお菓子を1袋つかんでいた。象は店先で待っていたもう1頭と一緒に去って行った。この間およそ10分ほど。幸いけが人などは出なかったが、店内は泥や食べかすで汚れてしまっていた。

国立公園の職員によると、この象はプライ・ビアン・レックという27歳くらいのオスで、被害に遭った店の周辺によく姿を見せていた。餌を求めて人家に侵入することもあるそうで、この日も食料品店で食べ散らかした後、別の家で寝室の窓を開けたという。


今回の一件がニュースになると、「象はお腹が空いているだけ」「私が代わりに払いたい」など、象の行動に同情する意見が多く寄せられていた。被害を受けたお店にも、野生動物保護団体が象のお菓子代を支払うと申し出てきたそうだ。

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【動画】店に侵入してお菓子を食べる象

@channelnewsasia

🐘 A wild Thai elephant entered a grocery store on Monday (Jun 2) and helped himself to sweet rice crackers, a sandwich and some bananas. The male elephant, known as Plai Biang Lek, is a familiar sight to residents near the Kha Yai National Park and was known to enter houses in search for food, according to a local ranger. #thailand #thainews #elephant

♬ original sound - CNA

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