広告ビジュアルにおける、信頼を得るために必要なポイントは“日常感”

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    2166671713,AJ_Watt,GettyImages

    原材料価格の高騰や円安による輸入コストの増加により、物価高の影響が続いています。特に私たちの日常生活に欠かせない「コメ」などの価格高騰は連日ニュースでも取り上げられていますね。物価高に伴う消費低迷は景気回復の足かせとなるという見方もあります。

    日々、消費者の間でも不安感が広がる状況の中で、日用消費財を扱う企業やブランドは、広告ビジュアルにおいてどのようなことに注意する必要があるのでしょうか。今回は、日用消費財の広告ビジュアルにおいて信頼を取り戻すヒントについて解説します。

    日用消費財の広告ビジュアルの信頼が落ちている?

    世界でも日本でも、日用消費財を扱う企業やブランドは消費者に対して、「安心感」や「親近感」を与えたいと考えています。ゲッティイメージズのビジュアル調査「VisualGPS」によると、日本の消費者の約半数の54%が日用消費財を扱う企業やブランドのコンテンツを信頼している一方で、半数は信頼していないと答えていることがわかりました。

    日用消費財を扱うビジュアルを信頼していないと回答している消費者のうち、69%が「広告」に対して、また21%は「会社」「製品」に対して不信感を抱いています。その主な原因は、個人の健康や製品の安全性に関する懸念にあり、この不信感の背景には、広告の透明性や正確性の欠如が認識されていること挙げられています。特にパーソナルケアや健康関連製品の文脈でその傾向が顕著です。

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    1343908864,Catherine Falls Commercial,GettyImages

    「日常的なイメージの中」を表現したビジュアルを好む傾向

    では、日用消費財を扱う企業は、広告ビジュアルにおける信頼を回復するためにどのようなビジュアルを活用する必要があるのでしょうか。「VisualGPS」によると、日本の消費者の75%は、「日用品が使用されている現実的で日常的なイメージがより影響力を感じる」と回答。また、76%が「商品の効果を示す日常的な家庭の場面を好んでいる」という結果が出ています。企業やブランドは透明性を重視し、消費者のニーズに真摯に対応する姿勢を示すことが必要です。安全性、有効性、利便性を強調した明確で詳細な製品情報は、消費者を効果的に惹きつけるために重要であると言えるでしょう。

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    1334081748,kyonntra, GettyImages

    信頼を高めるためのビジュアルとは

    では具体的に、日用消費財をビジュアルで表現する際のポイントはなんでしょうか。まず日本の消費者は親近感のあるビジュアルコンテンツを好む傾向にあり、特にシニア世代の消費者は、現実的で親しみやすいビジュアルを好みます。全体的な傾向としても、情報量が多く、親近感があり、理解しやすいビジュアルが好まれ、短編の動画や写真が最も好まれるフォーマットとなっています。

    日用消費財を表現する上で最も魅力を感じるビジュアル要素
    ・76%:親近感
    ・76%:リアル感
    ・56%:大胆な色や白黒の色よりも、中間色や鮮やかな色
    ・55%:親近感、安心感、親しみやすさ
    ・54%:モダンなビジュアル

    日本の消費者の66%が、「日常のささやかな喜びが最も大きな喜びをもたらす」との調査結果も出ています。日常の中に溶け込んだ形で日用消費財を紹介することで、親近感のあるビジュアルに近づけることができるでしょう。それにより、広告ビジュアルにおける信頼回復につながることが求められています。

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    永井有紗

    iStock/Getty Images シニア コンテンツ スペシャリスト

    10代からコンセプチュアル・アートと写真に強い興味を持ち、個人で写真家とコラボレーションをして作品を制作する。大学時代にiStockの撮影にモデルとして参加したことをきっかけに、2021年にゲッティイメージズに入社。以来、ゲッティでAPAC全域の才能あるクリエイターとのコラボレーションやコンテンツの制作に携わり、特にストーリー性のあるリアルな作品づくりを行なう。23年からは子を持つ親として、いままでとは全く違う世界の視野を勉強しながら作品制作に取り入れている。

    永井有紗

    iStock/Getty Images シニア コンテンツ スペシャリスト

    10代からコンセプチュアル・アートと写真に強い興味を持ち、個人で写真家とコラボレーションをして作品を制作する。大学時代にiStockの撮影にモデルとして参加したことをきっかけに、2021年にゲッティイメージズに入社。以来、ゲッティでAPAC全域の才能あるクリエイターとのコラボレーションやコンテンツの制作に携わり、特にストーリー性のあるリアルな作品づくりを行なう。23年からは子を持つ親として、いままでとは全く違う世界の視野を勉強しながら作品制作に取り入れている。