台湾カルチャーが凝縮された”台湾式理容院”が楽しい

  • 文:Pen編集部
  • 写真:齋藤誠一
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実は、台湾には独自の“理容院カルチャー”がある。世界広しといえども、中国式の顔面スキンケアや耳かき、日本式の理髪技術と設備、欧州式のグルーミングが融合されているのは台湾だけ。かつては裕福な紳士が利用していたそうだが、最近では誰でも気軽に使えるようになり、シャンプー好きな台湾人だけでなく、台湾カルチャーを体験したい観光客にも人気だ。

飛び立てば、4時間程度であっという間に到着する異国、台湾。まるで国内旅行のような気分で行ける身近な距離でありながら、そこには日本とはまったく違う世界が広がっている。いま体感すべき台湾の魅力は、「古さと新しさの出合い」。さあ、“OLD MEETS NEW”な台湾を探しに、出かけよう。

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華谷理容院(ホァーグゥーリーロンユェン)

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理容院を設立した、店主の黄碧霞(ホァン・ビーシャア)さんが洗髪中。座ったまま洗ってくれるのが台湾流。同じフロアでは、髭剃りなどグルーミングも行っている。

台湾にしかない、理容カルチャーを体験

こちらの理容院は1976年創業。93年に現在の店主が地下1階、地上3階の現在の建物を建てた。クラシカルな雰囲気は当時のまま。2015年から17年までは、上階を「バーバーショップホステル」に改装し、「泊まれる理容院」として観光客と地元民の交流施設にもなっていた。

「伝統的な理容院は、髭を剃ってくれたり、マッサージをしてくれたり、完全にリラックスできる場所。ここは、娘さんが理容院を軸にした観光ツアーを企画したり、移動型洗髪車をつくって街で洗髪するイベントを企画するなど、面白い取り組みをしている。それによって、かつての台湾文化の認知度が上がっているのです」と話すのは、風尚旅行社の代表でプロデューサーの游智維(ヨウ・ズゥウェイ)。

台湾中あちこちにローカルな理容院があるので、新しい体験を求める人は、ぜひ訪れてほしい。

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店で理容師として働く次女の曾怡嘉(ゼン・イージャー)さん(左)と、休暇のため実家に帰省していた三女で、理容観光イベントを企画した曾敬淳(ゼン・ジンツゥン)さん(右)。入り口のバーカウンターではお茶を出してくれる。
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30年以上経ったいまも堂々とした風貌の建物。1階にはバーカウンターと理容室、地下1階には7つのマッサージルームがある。2階にはかつてカラオケルームや宿泊施設があったことも。
FB-17_22A0043.jpg 理容師の当番表。最盛期は理髪師が10人以上、按摩師が20人程度いたとか。
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受付カウンターもクラシックな雰囲気。料金はヘアカット(男性)600元、シャンプー350元、シェービング300元、ボディーマッサージ90分1050元、120分1400元など。

華谷理容院(ホァーグゥーリーロンユェン)
住所:台南市安平區怡平路410巷37號
TEL:06-298-8178
営業時間:13時〜21時
定休日:不定休
www.facebook.com/comevisit.barbershop

※『PEN』2025年7月号の特集「台北&台南を楽しむ、台湾最旬案内」(39ページ)におきまして、以下の記載に誤りがございました。

誤:シェービング 30元
正:シェービング300元

訂正してお詫び申し上げます。

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