
2025年4月11~13日に開催された「オートモビルカウンシル 2025」をレポート。パート2となる本記事では、実際に会場で販売されていたクルマを見ていこう。
メルセデス・ベンツ560SEC W126(1988年)
ブルーノ・サッコによる質実剛健なデザイン。コストより品質最優先のこの時代、部品の耐用年数は20年、50万kmとして設計されていた。“最後の本物のメルセデス”と評され、当時はこのパーソナルなメルセデスを持つことは成功者の証とも言われていた。5.5L V8SOHCエンジンは255PS(日本仕様)を発生。いま見ても素敵なデザインである。
メルセデス・ベンツ W120 180Kombi(1955年)
非常に珍しいW120(通称ポントン)をベースにコーチビルダーが架装したモデル。Kombiとはドイツ語でコンビネーション(=ステーションワゴン)を意味する言葉。エンジンは直4、1.8L、OHVエンジン。最高出力は52PS。こんなメルセデスを普段使いしたら最高にかっこいい。
メルセデス・ベンツ SLR マクラーレン 5.4クーペ(2005年)
メルセデス・ベンツとマクラーレンの共同開発によるスーパーカー。英国のマクラーレン・テクノロジーセンターで製造された。エンジンは5.4L、V8SOHC+スーパーチャージャーで626PSを発生。0-100km 3.8秒で、現在でも1級のスーパーカーである。マクラーレンお得意のリアスポイラーが立ち上がるエアーブレーキも装備。ドアはガルウィング方式で開閉する。こんなクルマを持っていたら夢のようだ。
メルセデス・ベンツ SLS6.3クーペ(2010)
300SLをオマージュしたガルウィングドアのクーペ。SLRの後継モデルとしてメルセデスとAMGが共同開発。6.2L、V8DOHCエンジンは571PSを発生。0-100km/hはSLRと同じだが、こちらは自然吸気エンジン。よりレスポンスがよいと思われる。このモデルからトランスミッションはDCTを採用。よりロスのない変速が可能となっている。
メルセデス・ベンツ 280SL(W113)(1970年)
ハードトップを装着した時、通称「パゴダ」と呼ばれる中央がくぼんだルーフデザインが特徴のロードスター。2.8L、直6SOHCエンジンから170PSを発生。トランスミッションは4速ATが多い。最終モデルで、最も完成度が高いSL。ボッシュの機械式インジェクションによる自然吸気エンジンは「最高の時代のメルセデス」とも称される。
メルセデス・ベンツ 230SL(1967年)
最終型の230SLも展示されていた。最高出力は150PSだ。
メルセデス・ベンツ 280SL(W113)(1967-1971年)
ABODAという会社は、ドイツにおいて新車以上のクオリティで徹底的にレストアするとのこと。保証期間も20カ月と手厚い。要望があればシートの色の変更など好みのカスタマイズが可能。
メルセデス・ベンツ190SL(W121)(1955-1963年)
300SLの弟分ともいえる190SL。エンジンは1.9L、直4SOHC、105PS。適度にカスタマイズされたフロントマスク。エレガントさは全く失われていない。実車は新車さながらのコンディションであった。
メルセデス・ベンツ 300SL ロードスター(1957年)
価格はオートモビルカウンシルで最高額の3億円。エンジンがノーマルであれば、3L、直6エンジンからは215PSを発生。世界初のボッシュ製直噴エンジンを搭載している。このクルマに乗れる人は幸せだ。
Beck550スパイダーカスタム
オートモビルカウンシルでは、既にお馴染みのBeck Japan。本社はアメリカで日本では大阪のヨシムラオートBy Beck Japanが代理店となっている。オリジナルのステンレスパイプフレームに本物から型を取った、FRP製のボディが乗る。もはやレプリカとは言えないほど、精緻なつくりだ。エンジンはスバル製2.5L水平対向エンジンと4速MTの組み合わせ、またはVW製フラット4が搭載される。現在、オリジナルが5億円をくだらないことを考慮すると、こういった選択肢も考えられる。
ポルシェ356A(1956年)
エンジンは1,600cc空冷フラット4。最高出力は60PS。ボディはロイター社製。アメリカ・カリフォルニアにてデリバリーされた後、VISCO社が輸入したクルマとのこと。クラシックなスタイルながら実用使いも可能な魅力的な一台である。
ポルシェ911(1967年)
グリーンのボディが美しい個体。2.0L空冷フラット6エンジンは130PSを発生。軽量なボディとフラット6の組み合わせは軽快でスポーティな走りが期待できる。
ポルシェ911S(1968年)
こちらも非常に美しい911。しかもSモデルであり、最高出力は160PS。よりパワフルな走りが期待できる。しかし、価格も5000万台とかなり高価格だ。
ポルシェ911S(1973年)
いわゆる、Fシリーズといわれる911の最終型。ビンテージ911の完成形と称される名車。2.4L、フラット6は190PSを発生、当時0-100km/h、6.5秒は驚異的な速さだった。2.2Lから2.4Lになりトルクも増加し、扱いやすさも向上、新設計の915型ギアボックスが採用された。最後のピュア911と考えればプライスカードはリーズナブルと思われる。
ポルシェ911 RestMod"Smyrna"
"Smyrna"とはSmyrna Greenのことで、1960年代のポルシェ356に採用されたカラー。近年、ポルシェの「Paint to Sample(PTS)」プログラムを通じて、現代のモデルにも採用されている。クラシックな雰囲気があるため、レストモッドモデルなどで人気が高まっている。
ポルシェ911カレラRS(1992年)
ここからはぐっと近代的なポルシェになる。いわゆる964型と言われるモデル。標準モデルに対して150kg軽量になり、出力は10PSアップ。専用シャーシーは標準モデルより40ミリローダウンし、走りのための1台だ。プライスカードも相場から見ると、ややリーズナブルと思われる。
ポルシェ911スピードスター(1993年)
筆者憧れのモデル。ダブルバブルのリアカバーがとてつもなくかっこいい。エンジンは標準の964と同じ3.6Lフラットシックス、250PS。低いフロントウィンドウと装備を省略し軽量化を図ったスパルタンな仕様。
ポルシェ911GT3RS(2008年)
カーボンファイバー製のリアウィング、軽量バッテリー、薄型ガラスなどの採用により標準のGT3より更に軽量化が図れている。大型のリアウィング、フロントスプリッターを採用し、高速域のダウンフォースを向上。ロールゲージは標準装備で、エンジンは3.6L水冷フラット6。最高出力は415PSであり、0-100km/hは4.0秒で達する。まさにサーキット走行を念頭に置いた高性能モデル。
後編ではイタリア車とイギリス車を中心に紹介する。
(紹介している情報は25年4月11日時点のものです。詳細は販売店にお問い合わせください)
オートモビル カウンシル2025
開催期間:2025年4月11日~13日
開催場所: 幕張メッセ 国際展示場 9/10/11ホール
https://automobile-council.com