飾りたくなる独創的な美しい鉛筆!カカオの殻を固めた三菱鉛筆の技が光るCLOUDY「CHOCOPEN」

  • 写真・文:一史
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この写真で伝わりますか!?
カカオ色の鉛筆のカッコよさが。
下のレザーポーチはただのわたしの私物なのでお気になさらずに。
主役は鉛筆です。
実物を見て手に触れると、素晴らしさに唸らされます!

「木材を粉砕した成形素材?」とお思いの人、半分正解です。
実は素材はチョコの原料となるカカオの実の殻です。
商品名も由来通りの「CHOCOPEN(チョコペン)」。

開発したのは三菱鉛筆で、企画はCLOUDY。
素材調達と製造国は、アフリカのガーナ。
ガーナといえばカカオの生産地でお馴染みですよね。
産業で廃棄された殻を有効活用した品なのです。
この鉛筆にはさらに大きな社会的意義が込められているのですが、記事終盤にてお話しましょう。
まずはこのカッコよさをご覧ください!

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ざらざらしたテクスチャーの風合いと、茶色の濃淡が最高に美しくて。
挽いたコーヒーの粉をきれいと感じる人なら共感していただけるでしょう。
マットな焦げ茶のボディと、光沢のあるグレーの鉛筆芯がトーンのコントラストを生み出しています。
「鉛筆ってきれいなんだなぁ」と見入ってしまう出来栄え。

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さらにこの鉛筆に違和感(いい意味で)があるのは、鉛筆芯周辺の削られてむき出しになった内部(説明ヘタだな……)も濃い茶色なこと。
一般鉛筆の素材は塗装した木材ですから、削ると明るいベージュ色の木材が芯周りに現れてきます。
その色彩バランスの常識が覆され、芯以外のすべてが濃い茶色であるかのようなオブジェクトになっています。
見たことのない不思議な存在。
手触りのいい風合いも最高で、ずっといじっていられます。

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上の箱が製品パッケージです。
2本分のスペースがあるのに、収納されているのは1本だけ。
空の部分には、「FOR MY BUDDY(=私の相棒のために)」の英文が。
これは実はチャリティ商品なのです。
購入すると、鉛筆1本がガーナの子どもたちに贈られる仕組み。
「2本を買って1本を子どもたちに贈ったから、1本分が空になってる」というストーリー。

すっごく洒落たパッケージですね!
チャリティという、ともすれば社会正義の押し付けを伴う難しい商品を、アイディアとデザインの力で軽やかにクリア。
「素敵な鉛筆だから買う」、それだけでもいいのだと思います。
たまたま世の中の役に立ったということでも。

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ガーナで製造したファッションアイテムや小物を先進国で販売して、現地に雇用を生み出す活動をしているCLOUDYならではの商品です。
CLOUDYは現地に子どもが学ぶ小中学校も建立しています。
単に寄付で彼らにお金を渡すのでなく、彼らに何が必要なのかを考えた活動をしています。

CLOUDYからの企画案を受けた三菱鉛筆が、相当の努力をして実現させた鉛筆のようです。
現地に足を運び、地面に大量に投げ捨てられ環境汚染していたカカオの殻を粉砕し樹脂を混ぜて練り直し、折れずに使える鉛筆に仕上げるまでに2年以上かかったとか。

しかも現地で雇用を生むため、ガーナで製造する体制を整えたのです。
素材を日本に輸入して作ればもっと簡単だったでしょうに。
CLOUDYと三菱鉛筆の理念が息づく逸品に仕上がりました。

さて、この鉛筆1本(ひと箱)のお値段はいかに!?
330円(税込)です。
安い!!
そりゃ通常鉛筆と比べれば高価ですが。
机に飾るインテリアになるほどの美しさで、チャリティも含む品にしては格安ではないでしょうか。

購入はCLOUDYの店に足を運ぶのがベストだと思います。
常設店の東京・原宿「ハラカド」をはじめ、全国で開催されるポップアップショプなどで。

店に行くのをお薦めするのは、ECサイトだと配送料が掛かるためです。
CLOUDYの公式ECサイトは全国の配送料が748円から。
この額にチャリティは含まれていないでしょうから(配送会社の収入のみかと)、合計額で計算すると店でチョコペンが3本買えちゃいます。
もっとも2025年6月頭の時点ではECサイトでチョコペンが「COMING SOON」になっており、実店舗でしか買えませんが。

今後はインテリアショップ、ファッションのセレクトショップなどで販売の取り扱いが広がっていくかもしれませんね。
日本料理店で装備品として使ってもよく似合うでしょう。
皆さん、いますぐ採用しないともったいないスタイリッシュでSDGsな鉛筆ですよ!

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。