マカロンでおなじみのピエール・エルメ・パリ。その創設者であり、パティシエ・ショコラティエのピエール・エルメが、およそ20年前にパリのブティックで始めた活動が「マカロンデー」だ。

その目的は、難病とたたかう子どもたちのための寄付金を集めること。日本では夏至の日をマカロンデーに定めている。今年は6月21日だ。カラフルなマカロンとともに、本格的な夏の始まりを楽しい1日からスタートしようという意味も込められている。

マカロンデーの当日はもちろん、5月28日から7月1日（火）までのおよそ1カ月間は、ピエール・エルメ・パリ 青山をはじめとする直営ブティックやオンラインブティックにて、この期間だけの特別な催しが行われている。

たとえば、特別なマカロンギフトの販売や、直営店ほか関連スポットへの募金箱の設置、関連イベントなどが行われ、諸経費を除いた収益金は募金とともに「認定NPO法人 難病のこども支援全国ネットワーク」へ寄付。不治や難病の子どもたちのために、マカロンデーは、個人でもできるアクションを考えるきっかけを提供する。

また、マカロンデーには、青山ブティックなどの対象ブティックにてマカロンの無料サービスも実施されるというから見逃せない。

マカロンデーの開催に合わせて、5月28日からはマカロンのラインアップが一新された。

定番のマカロンは6種類から9種類へと拡大。これまでの定番からは「アンフィニマン ピスターシュ」「アンフィニマン カラメル」「アンフィニマン ヴァニーユ ド マダガスカル」「アンフィニマン シトロン」の4種類が継続。新たに「プレジール シュクレ」「モガドール」「イスパハン」「アンフィニマン プラリネ ノワゼット」「アンフィニマン フランボワーズ」の5種類が仲間入りを果たし、パリのブティックと同じ顔ぶれに。

特に「モガドール」と「イスパハン」は、過去に期間限定で販売された際に問い合わせが多かったマカロン。それが定番となり、いつでも食べられるようになったのは、ファンでなくても嬉しい出来事だ。

期間限定で販売されるマカロンは、新開発の「アンフィニマン フイユ ド トマト」や日本初登場の「アンフィニマン アプリコ」「ジャルダン ド ゴドー」をはじめ、「オリジーヌ メキシック」「ジャルダン ド コンスタンス」「アーリア」「アンフィニマン グリオット」の7種類となっている。

ピエール・エルメ・パリ アジア支部代表のリシャール・ルデュは、新定番についてこう話す。

「新定番に選ばれた9種類のマカロンに共通するテーマは幸せです。もともとマカロンは幸せを与えてくれるお菓子なのです。新定番となった9種類中6種類には、名前に『アンフィニマン』がついていますが、これはフランス語で『どこまでも限りなく』という意味を持つ言葉です。たとえば『アンフィニマン ピスターシュ』だったら、『どこまでも限りなくピスタチオ』という意味となり、ピスタチオを存分に感じられるマカロンになります。そのため、アンフィニマンが名前についたマカロンは、はっきりした味わいが多い。素材の風味をたっぷり味わえるマカロンの多い新定番が揃いました」

期間限定のマカロンについては、今まで誰も想像できなかった味わいに注目してほしいとリシャール。

「たとえば、『ジャルダン ド コンスタンス』は、ライムとバニラ風味のクリーム、カラメリゼしたパイナップルのコンポート、ココナッツが複雑に絡み合った味わい。『アンフィニマン フイユ ド トマト』は、トマトリーフ風味のガナッシュという、お菓子としてはこれまでにない面白いマカロンになっています」

さらにリシャールは、マカロンのとっておきの楽しみ方として、アルコールとのペアリングもオススメだと教えてくれた。

マカロンデーをきっかけに難病とたたかう子どもたちへの支援について考えるとともに、マカロンのおいしさや楽しさも再発見したい。