
@greatcharliedane - instagramのキャプチャ画像
航空機の客室内に、まるで小型の馬のような巨大な犬が搭乗した― そんな映像がSNSで拡散され、世界中で賛否を呼んでいる。
今回の主役はアメリカ・サンフランシスコ在住の27歳インフルエンサー、ピエトラ・ルッカスさん。彼女は体重約120ポンド(約54kg)のグレート・デーン犬「チャーリー(4歳)」を“介助犬”として連れ、ユナイテッド航空のマイアミ行きのフライトに搭乗した。

その様子を撮影した動画がルッカスさんのInstagramに投稿されると、再生回数はたちまち4600万回を超え、現在までに126万件以上の「いいね!」と3万件以上のコメントが寄せられた。通路をやっと通れるほど巨体の犬を見た乗客の驚きや、ネット上での激しい議論が続いている。

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「3席購入」と「事前説明」、飼い主は手続きを踏んでいた
この一件で多くの人がまず疑問に思ったのは、「こんなに大きな犬が、他の客もいる通常フライトの客室に同乗してもいいのか?」という点だろう。実はルッカスさんは航空会社の規定に則した手続きを踏んでおり、チャーリーは「正規の搭乗」だったのだ。

ルッカスさんはいつもチャーリーのために3席分のチケットを購入している。今回も客室乗務員と事前に連携しており、機内前方の足元スペースが広い座席を特別に手配してもらったという。さらに搭乗前、乗務員が周囲の乗客全員に説明を行い、了承を得たうえでチャーリーを機内に迎えていた。
動画には、乗務員が「すでに皆さんに説明済みです」と応じる様子も映されており、配慮ある段取りがなされていたことが分かる。

ルッカスさん自身も、「チャーリーは、飛行中静かにするように訓練されていて、ほとんど眠っています」と取材で語っている。今回の搭乗も、客室での迷惑行為や安全への配慮不足といった指摘には当たらないと考えられる。

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SNS上に広がった賛否両方の反応
一方で、SNS上ではこの搭乗に対する反応が真っ二つに分かれている。
チャーリーは、犬種の中でも最大級のグレート・デーン。アメリカン・ケネル・クラブによれば、成犬の雄は体高約80cm、体重は最大で175ポンド(約80kg)にも達する。
ネットでは「通路をふさいでしまうことへの危険性」「アレルギーや犬嫌いの人はどうすればいいのか」といった懸念が噴出した。また、「チャーリーは本当に介助犬なのか?」という疑問も寄せられた。ルッカスさんが有料コンテンツ配信プラットフォーム「OnlyFans」でも活動していることから、「話題づくりではないか」とする中傷も少なくない。
また、介助犬の役割としての妥当性についても議論がある。ADA(障がいを持つアメリカ人法)によれば、介助犬は障がい者に対し具体的な作業を行う訓練が必要とされる。チャーリーのような感情支援的な役割を担う犬も一部認められているが、「その資格の濫用が増えている」とする声も根強い。
一方で擁護派からは、「ちゃんと席も買っていてルールも守っている」「チャーリーとなら一緒に座りたい」という共感の声も多数寄せられた。
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人間と動物の心地よい関係とは?
こうした批判に対し、ルッカスさんは毅然とした姿勢を貫いている。「チャーリーは私にとって必要不可欠な存在。私は毎回、航空会社に確認しているし、他人の迷惑にならないよう最大限配慮している」と語っている。
ルッカスさんが本当に介助犬を必要としているのか、それともインフルエンサーとしての“炎上商法”を狙った演出なのか、真相は彼女にしか分からない。しかしこの一件がSNSで話題になったことにより、人間と動物の心地よい関係や、移動にまつわる問題について考えるきっかけを得た人も多いかもしれない。
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【動画で観る】人間よりも大きい!? グレート・デーン犬のチャーリー
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