世界的にも極めてまれ…一卵性の四つ子が生まれる「8人家族の生活は大混乱」

  • 文:吉井いつき
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Shutterstock ※画像はイメージです

生殖医療の発達により、一人の母親の胎内で同時に複数の子供が発育して生まれる多胎妊娠の頻度は増えているという。だが、そんな現在であっても極めて稀な一卵性の四つ子がアメリカで誕生した。

4009万分の1のハイリスク妊娠

今年1月24日、米アリゾナ州フェニックスのバナー大学医療センターで、レイチェル・バルガスさんは帝王切開で4人の赤ちゃんを出産した。この4人の女の子は、一つの卵子が4つに分かれて育った一卵性の四つ子だ。米ピープル誌の記事によると、4000万分の1の高リスク妊娠だったという。


ロードアイランド州在住のレイチェルさんと夫のマルコさんの間には、すでに3歳の息子と1歳の娘がいる。四つ子を自然妊娠したと知った夫妻は、出産のためには多胎妊娠の専門家の協力が不可欠と知り、アリゾナのバナー大学医療センターにたどり着いた。


病院での検査の結果、夫妻の懸念は的中していた。レイチェルさんの出産に関わったジョン・エリオット医師によると、赤ちゃんのうち2人は同じ羊膜を共有しており、臍帯が胎盤ではなく胎膜に接続している状態で、死亡リスクが30〜40%もある状態だったという。さらに、双胎間輸血症候群(TTTS)という胎盤を共有する双子に起きる異常も見つかった。


母子ともに命の危険もある非常にハイリスクな妊娠であったが、夫妻は諦めることはしなかった。そしてレイチェルさんは今年1月、妊娠30週と3日目に帝王切開に臨み、無事4人の女の赤ちゃんが生まれた。体重は全員およそ1.4kgだったそうだ。


バナー大学医療センターは公式Instagramでこの慶事を発表。投稿には700件を超えるいいねがつけられ、「素晴らしい」「奇跡だ」と出産を喜ぶコメントが寄せられた。

8人家族の生活は「大混乱」


赤ちゃんはそれぞれソフィア、フィロメナ、ヴェロニカ、イザベル・カンポスと名付けられた。4人は9週間NICU(新生児集中治療室)で過ごした後、4月になってようやくロードアイランドの自宅へと帰ることになった。


つい最近、夫妻は米NBC10ニュースの取材を受けた。2人は自宅の現在の様子を「忙しい」「大混乱」と答えた。生後4ヶ月になる四つ子は「まだほとんど寝ている状態」だというが、新生児4人に加えて幼児2人の世話となれば想像を絶する大変さであろう。


それでもレイチェルさんは、子供を「もっと欲しい」と話す。もし叶うなら、すでに5人の妹に囲まれた息子に今度は弟を作ってあげたいそうだ。

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【画像】出産直後の様子

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【画像】退院時の様子

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