「ローマ人の靴、お洒落すぎ」2000年前の革靴が井戸から発見されて話題に

  • 文:大村朱里
Share:

 

shutterstock_1358654813.jpg
Shutterstock-Bobby Stevens Photo ※写真はイメージです

「トレンドは巡る」とはよく言うが、まさか“2000年前”のファッションが今なお通用するとは——。

“現代でも通用するほどスタイリッシュな革靴”が、ドイツの井戸の底から発掘された。それは約2000年前、ローマ帝国が栄華を誇った時代の本物の靴。しかも、今見ても「履ける」と感じてしまうほどデザイン性に優れていると話題になっている。

注目されているのは、ドイツ・ザールブルクの古代ローマ遺跡から発掘された靴。ザールブルクは紀元90年頃、ローマ帝国がゲルマン民族との境界を守るために築いた砦で、最盛期には約2000人が居住していたとされている。

19世紀に再発見されたこの遺跡では数多くの出土品が見つかっており、靴もその一つ。現地の博物館では、保存状態の良い革靴が展示されており、その洗練されたデザインが来館者の注目を集めている。

---fadeinPager---

デザイン性に驚きの声 「いまでも履けそう」

出土した靴を見ると、穴の装飾や、現在の革靴を思わせるシルエットが施され、SNSでは「2000年前とは思えない」「今のファッションに取り入れたい」といった声が相次いでいる。

古代ローマ時代の靴といえば、剣闘士が履いていた“グラディエーターサンダル”を連想する人も多いだろう。実際に「カリガ」と呼ばれる軍用サンダルは、ストラップでしっかり足に固定する仕様で、現代でも類似デザインのサンダルが流通している。

一方で、より“靴”らしい構造のものも存在した。「カルケウス」と呼ばれる半閉鎖型の靴は、上流階級の男性がよく履いていたとされ、今回話題となったザールブルクの靴もこのタイプと見られている。

実はこのような“現代風”のローマ靴は他にも見つかっている。1976年にはドイツ国内で井戸から250足以上の靴が発掘されたほか、イングランドの古代砦「ビンドーランダ」でも多数の靴が出土。中には子供用や女性向けと思われる繊細なデザインのものもあったという。

世界最古の靴は約5500年前にアルメニアで発見

なお、現在発見されている中で“世界最古の靴”は約5500年前のものとされ、アルメニアの洞窟で発掘された。素材は牛革で、サイズは日本の23cm程度。左右の区別はなく、どちらの足にも履けるユニセックス仕様だったという。

---fadeinPager--- 

【画像】いまでも履けそう! 2000年前のローマ人の靴。